ロシア語には「быть」という動詞の現在形は存在しない

Alexander Kislov, Natalya Nosova
Alexander Kislov, Natalya Nosova
以前は実際に存在していた!

 動詞「быть」は、英語の“to be”にあたる存在を表す動詞だが、ロシア語では過去形「был」と未来形「буду」のみで使われる。つまり、「彼は学生です」という意味を表すとき、英語のように「есть」を入れて「он есть студент」とは言わず、単に「он студент」と言う。しかし、古代ロシア語では「быти」という動詞があり、現在形も存在していた。その形は次のようなものである:「есмь, еси, есть, есмы, есте, суть」。やがて、これらの形は日常会話から消えていきた。なぜなら、動詞を省略しても文の意味が十分に理解できたからだ。

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