モスクワのクレムリン:聖堂、宮殿、博物館の完全ガイド

TomasSereda / Getty Images
TomasSereda / Getty Images
クレムリンへの行き方は?見どころは?チケットの値段は?詳しくは、このガイドをご覧ください。

 モスクワのまさに中心部に位置する、この赤レンガ造りの要塞は、ユネスコ世界遺産にも登録されているユニークな建築群だ。ロシア史上最も重要な、帝政時代およびそれ以前の遺産、宝飾品、美術品などがここに収められている。

 しかし、ロシア大統領がクレムリンで執務しているので、そこは立ち入り禁止区域であり、その周辺に近づくことはできない。この点に注意しよう。

VK_Massimo Borchi / Atlantide Phototravel / Getty Images
VK_Massimo Borchi / Atlantide Phototravel / Getty Images

一般情報: 

  • クレムリンへは地下鉄で、ボロヴィツカヤ駅、レーニン図書館駅、アルバーツカヤ駅、またはアレクサンドロフスキー庭園駅まで行く必要がある。訪問者用入口までは、徒歩で3~5分だ。
  • 5~9月は、すべての博物館の開館時間は、9:30~18:00だ。チケット売り場は、9:00~17:00まで営業している。10~4月は、博物館の開館時間は、10:00~17:00である。
  • 木曜日は休館だ。博物館の管理者は、行列を考慮して少なくとも45分の余裕をもって訪問計画を立てることを推奨している。 
  • クレムリンの敷地内へはクタフィヤ塔から、「武器庫」と「ダイヤモンド庫」へはボロヴィツカヤ塔から入る。
  • クレムリンの敷地内へは、短パン、Tシャツ、ビーチサンダル、汚れた服では、入ることはできない。
  • 保管室は、クタフィヤ塔に隣接するアレクサンドロフスキー庭園にあり、大きなバックパックを預けることができる。 
  • クレムリンに入る人は全員、セキュリティ検査システムを通過する。
  • 博物館のチケット売り場は、アレクサンドロフスキー庭園のガラス張りのパビリオン内にある。また、「tickets.kreml.ru」で、オンラインチケットを購入することもできる。
  • ウェブサイト「tickets.kreml.ru」で、グループ向けの、すべてのスポットを一通り回るツアーを予約することもできる。

クレムリンの建築群

 クレムリンの建築を楽しみ、内部を見学するには、クレムリンのすべてのスポットを一通り回るチケットを購入すればよい。 

セルゲイ・ボブリェフ / TASS
セルゲイ・ボブリェフ / TASS
  • 入場料:割引なしの入場券は、1100ルーブルだ(2025年8月14日現在、1ルーブルは1.85円)。音声ガイドは、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、中国語で利用できる。音声ガイド付きの入場券は、1500ルーブル。クレムリンを1枚のチケットですべて回るのではなく、個々の聖堂・教会を見学するチケットをチケット売り場で個別に購入できる。料金は1枚300ルーブルだ。 
  • エクスカーション:ロシア語で行われるグループ観光、またはテーマ別エクスカーションに参加できる。所要時間は1時間半で、料金は1500ルーブルだ。 

見どころ

  • 大聖堂広場と聖堂群:生神女就寝大聖堂(ウスペンスキー大聖堂)、聖天使首大聖堂(アルハンゲリスキー大聖堂)、生神女福音大聖堂(ブラゴヴェシチェンスキー大聖堂)、リゾポロジェーニエ教会、総主教宮殿、十二使徒教会。 
  • 常設展:生神女福音大聖堂の下階における「モスクワ・クレムリンの宝物と遺物」、リゾポロジェーニエ教会の屋根付き回廊における「ロシアの木彫」、聖天使首大聖堂の南側拡張部分における「モスクワ・クレムリンのヴォズネセンスキー(昇天)修道院」、聖天使首大聖堂の北東拡張部分にある聖ウアル別棟(プリデール)における展示会。
  • また、クレムリンのレジェンド、「大砲の王様」「鐘の王様」、中世の大砲なども見ることができる。
  • 特別展:総主教宮殿、生神女就寝大聖堂・鐘楼、武器庫には、展示ホールがあり、特別展が開催される。入場券は、別途購入することになる
scaliger / Getty Images
scaliger / Getty Images

 ❗「イワン大帝の鐘楼」は、現在一時的に閉鎖されているので注意しよう。訪問前にクレムリンの地図を確認しよう。 

武器庫

 ここはクレムリンの主要な博物館であり、大クレムリン宮殿内にある。そのため、武器庫への入口は、ボロヴィツカヤ塔からとなる。

iSailorr / Getty Images
iSailorr / Getty Images
  • 入場料:割引なしの入場券は1400ルーブルだ。音声ガイドは、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、中国語で、利用できる。音声ガイド付きの入場券は1800ルーブル。          
  • エクスカーション:ロシア語で行われるグループ観光、またはテーマ別エクスカーションに参加できる。所要時間は1時間半で、料金は1800ルーブルだ。
  • 見どころ:
    武器庫には、皇室のレガリア(王権の象徴となる物品)、儀式用の衣装、戴冠式用のドレス、ロシアの名匠が制作した貴金属製品や武器、馬車のコレクションなど、さまざまな展示品が保管されている。武器庫は2階からなるので、見学には少なくとも1時間はかかる。

 訪問前に、武器庫のバーチャルツアーを行うことができる。

ダイヤモンド庫

 ダイヤモンド庫の展示は、武器庫棟にある。ただし、正式には、モスクワ・クレムリン博物館には属していないため、別途入場券を購入する必要がある。 

ウラジミール・ヴィャトキン / Sputnik
ウラジミール・ヴィャトキン / Sputnik
  • チケットは800ルーブルだ。アレクサンドロフスキー庭園のチケット売り場で購入することもできるし、ロシア連邦貴金属・宝石国家管理局(ゴフラン)のウェブサイトで予約することも可能だ。 
  • 音声ガイドは、中国語、ドイツ語、英語、スペイン語、フランス語、イタリア語、日本語で利用できる。
  • ダイヤモンド庫では、訪問者たちが一通り見終わってから、20分の間隔を置いて、次の訪問者を入れる、という形で行われる。
  • 入口は、ボロヴィツカヤ塔からとなる。
  •  見どころ
    ダイヤモンド庫には、ロシア皇帝と皇后の戴冠式で用いられたレガリア(エカテリーナ2世の戴冠式のために制作された「大帝冠」や、「モノマフの帽子」など)が収蔵されている。また、希少な自然鉱、歴史的な石や宝石、ダイヤモンド、貴重な勲章なども保管されている。 

 

あわせて読みたい
<