世界初かつ最大の宇宙基地「バイコヌール」、70周年迎える
1955年にカザフスタン南部で建設が始まったバイコヌール宇宙基地が、70周年を迎えた。世界初の人工衛星「スプートニク1号」や人類初の有人宇宙飛行を成功させた歴史的拠点であり、現在もロシアがカザフスタンから借用し、宇宙船の打ち上げに活用している。一方で、新設のボストーチヌイ宇宙基地への機能移管も進められている。
バイコヌール宇宙基地は、15基のロケット発射施設、4基の大陸間弾道ミサイル試験用発射台、11棟の組立・試験棟、2つの飛行場、総延長470km の鉄道および1281km の高速道路を備えており、バイコヌール市を擁する広大な施設である。
同基地は1955年1月、当時「第5科学研究試験場」としてカザフスタン南部に建設が始まった。1955年6月2日には、ソ連国防省が軍事ユニット11284として正式に登録し、この日がバイコヌールの「誕生日」とされている。
1957年10月4日、世界初の人工衛星「スプートニク1号」が同基地から打ち上げられ、1961年4月12日にはユーリ・ガガーリンがボストーク1号により人類初の有人宇宙飛行を果たした。
これまで、数世代にわたるロケットの打ち上げや大陸間弾道ミサイルの試験が実施されてきた。現在はロシアがカザフスタンから宇宙基地を借用し、ソユーズ有人宇宙船やプログレス貨物宇宙船の定期打ち上げ拠点として運用している。
一方で、10月24日は同基地の歴史における「暗黒の日」とされている。1960年の同日には火災が発生し、戦略ミサイル軍司令官ミトロファン・ネデリン元帥ら78人が死亡した。また、1963年にも同日に火災が起き8人が犠牲となっている。このため、以降は同日に打ち上げを行っていない。
現在、ロシアはバイコヌールの機能をアムール川流域の新設宇宙基地「ボストーチヌイ」へ徐々に移管している。しかし、ロスコスモス(ロシア連邦宇宙局)は、少なくともリース契約満了の2050年まではバイコヌールの使用を継続する方針である。