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ポップカルチャーに取り入れられたミハイル・ゴルバチョフのもっとも鮮やかなイメージ11選
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ゴルバチョフと映画
「裸の銃を持つ男」(1988年)
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レスリー・ニールセン出演のアメリカのパロディーでは、なぜ、実際には、ソ連の大統領の頭にあの特徴的なあざがないのかという説を提示している。ここでは米国に対抗する世界的な陰謀に参加するゴルバチョフ役を演じているのはデヴィッド・ロイド・オースティンである。ちなみに、デヴィッド・ロイド・オースティンはこの役を、ソ連映画「Ночной поезд на Москву(モスクワ行き寝台列車)」、クリストファー・プラマー主演のドラマ「Counterstrike」でも演じている。
「ロッキー4」(1985年)
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ロッキー・ボルボアのシリーズ映画の4作目で、ロッキーは、ソ連の「殺人マシーン」、イワン・ドラゴと対決する。このイワン・ドラゴ、なぜかソ連の書記長から個人的に注意を向けられている。ただ、書記長は映画ではなぜかお馴染みの頭のあざがない。
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「Weather Is Good on Deribasovskaya, It Rains Again on Brighton Beach」(1992年)
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レオニード・ガイダイ監督の最後の映画は、ゴルバチョフが極秘の電話回線で、ジョージ・ブッシュ(父)大統領と会話してるところに、ロシアマフィアのボス、ラビノヴィッチがしょっちゅうその会話に入り込んでくるという、アネクドート風のシーンで始まり、終わる。
ゴルバチョフとテレビ
「チェルノブイリ」(2019年)
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ゴルバチョフのバイオグラフィーは、チェルノブイリ原発事故、そしてその結果と非常事態の収拾における役割なしには語れない。HBO制作による同タイトルの5回シリーズのドラマ「チェルノブイリ」で、ゴルバチョフ役を演じているのが、スウェーデンの俳優、デヴィッド・デンシックである。まだそれほど年老いていないゴルバチョフの姿を見せている。
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「サタデー・ナイト・ライヴ」(1987年)
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1980年代のお笑い番組の一つ「サタデー・ナイト・ライヴ」のショーで、ゴルバチョフ役を演じたのが、ダニー・デヴィート。米国のロナルド・レーガン大統領が、ソ連の政治家に、コロンビア州を案内し、ハリウッド映画を例に出して米国の歴史について語るというストーリー。
「ザ・シンプソンズ」(1996年)
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ゴルバチョフは 1996年のアニメ「ザ・シンプソンズ」でカメオ出演している。ゴルバチョフは、ジョージ・ブッシュ(父)大統領に、喧嘩したホーマー・シンプソンに謝るよう頼む。ブッシュ大統領は、「ロシア人の前で弱みを見せる」のは嫌だと言うのだが、最終的には謝罪する。
ゴルバチョフとレイヴ
1996年、驚くべき楽曲が登場した。DJグルーヴが、「幸せはここに」というもので、ミハイル・ゴルバチョフとライサ夫人自身の要望で、2人の声が使われている。DJグルーヴ(エヴゲーニー・ルージン)によれば、ゴルバチョフは若い世代の人々にアピールしたいと考えていたのだという。実験は成功し、この歌は1990年代のヒット曲となった。
ゴルバチョフと芸術
ウラジスラフ・マムィシェフ=モンロー 「インド人女性の姿をしたゴルバチョフ」
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このポートレートは、ゴルバチョフがまだ政権についていたときに描かれ、西側の雑誌の表紙にも使われたものである。ソ連の官僚シリーズの作者であるウラジスラフ・マムィシェフ=モンローの作品で、ゴルバチョフはインドのドラァグクイーンのイメージで描かれている。彼は、その作品で官僚たちを派手な服装に変え、メイクをした。その格好はクレムリンから逃亡するためであるという説もある。これはソ連のアレクサンドル・ケレンスキー大臣が、ペトログラード(現サンクトペテルブルク)から女性の格好をして逃げ出したという伝説に基づいている。
ピーター・マックスの「Forty Gorbys」(1989年)
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40枚も作られたゴルバチョフのポートレートを描いたのは、ポップアート界の巨匠ピーター・マックス。ゴルバチョフはこの作品に目を留め、レニングラード(現サンクトペテルブルク)で展覧会を開くようアーティストに提案した。
アレクサンドル・コソラポフの「三連祭壇画」(1990年)
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ソッツ・アートの古典作家は、米国に亡命した後、ゴルバチョフと西側文化とソ連のプロパガンダを融合させた。
ゴルバチョフと広告
ピザ・ハット
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1997年、ゴルバチョフはアメリカのピザチェーン店「ピザ・ハット」の宣伝に出演した。その宣伝では、ゴルバチョフがピザ店にやってくると、利用客らが彼に気付き、ソ連大統領の功績について論争を始める。ある者は国を崩壊させたとして彼を非難し、またある者は人々に新たな可能性を与えたと称賛する。そして最後に、老齢の女性が、「ゴルバチョフがいなかったら、ピザ・ハットはなかったでしょう」と指摘する。
2010年、タイム誌は、この宣伝を「有名人が登場するもっとも恥ずべき宣伝」のリストに加えた。これに対し、ゴルバチョフは、ゴルバチョフ基金と世界緑十字社のための資金が必要だったため、宣伝への出演オファーを受けたと述べた。
ルイ・ヴィトン
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ゴルバチョフはファッションに精通し、多くの有名なデザイナーたちと個人的な交流があった。2007年、国民にもっとも近い政治家(彼は宣伝に出演した唯一の国民のリーダーであった)は、ルイ・ヴィトンの顔となり、同ブランドの広告に出演した。写真では、ゴルバチョフは自動車の中で、ヴィトンのバッグの近くに座り、バックにはベルリンの壁が見えている。撮影を壁の近くで行うというのは、ゴルバチョフ自身のアイデアだったという。