ロシアとアメリカ、その距離わずか4キロメートル?!

Orbital Horizon/Copernicus Sentinel Data 2018/Gallo Images/Getty Images
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ベーリング海峡の中央には、ダイオミード諸島と呼ばれる2つの島が並んでいる。1867年にロシア帝国がアラスカをアメリカに売却して以来、この2島の間に露米両国の国境がある。
 海上国境はベーリング海峡のほぼ真ん中を走り、ビッグダイオミード島(ロシア名:ラトマノフ島)はロシア領、面積は29平方キロメートル。一方のリトルダイオミード島(クルーゼンシュテルン島)はアメリカ・アラスカ州に属し、面積は7.3平方キロメートル。

 両島はロシア人によって発見され、アラスカが売却されるまではどちらもロシア帝国の領土であった。島の名は、航海士マカール・ラトマノフと海軍提督イワン・クルーゼンシュテルンという、優れたロシアの探検家たちにちなんでいる。

 現在、ロシア側のビッグダイオミード島には住民はおらず、国境検問所のみがある。アメリカ側のリトルダイオミード島には、約100人のイヌピアット・エスキモーが暮らしている。

 興味深いのは、両島の間隔がわずか4キロメートル弱しかないにもかかわらず、時差が非常に大きいこと。夏季は20時間、それ以外の時期は21時間もの差がある。このため、ビッグダイオミード島は「明日の島」、リトルダイオミード島は「昨日の島」と呼ばれたりする。

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