このソ連の建築家は、将来人々が「空中都市」に住むようになると信じていた!

Gateway to Russia (Photo: public domain)
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1928年、若い建築家ゲオルギー・クルチコフが、未来都市のプロジェクトを考案した。彼は、こう信じていた。輝かしい未来においては、ソ連の都市は、長方形の街路配置をもつ、資本主義国の巨大都市の原則にしたがって建設されることはなくなる。人々は、ブルジョアの残滓を捨て去り…“空へ”移住するはずだ、と!

 

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 彼の考えによれば、「都市コミューン」が現れるはずだった。つまり、工場のある生産センターは地上に残り、その上に、高層住宅が建てられる、というわけだ。クルチコフは、いくつかの選択肢を構想した。そのうちの1つでは、8つの住宅棟が下層のリングで結ばれており、そのリングに公共スペースが設けられていた。もう一つは、円筒形の建物で、ホテルタイプの住宅と、中央のエレベーターシャフトからなっていた。

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 クルチコフは、未来の家の外観だけを考えていたのではない。例えば、彼は、人々が特別な“変身カプセル”に乗って、職場に移動するようになると信じていた。未来の交通手段は、プラスチック製の外殻のおかげで容易に形を変え、空中、地上、さらには水中でも移動できるようになる。そして、必要に応じて、このようなカプセルを住宅に変えることもできる。まさにカプセルホテルではないか!

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 このソ連の建築家は夢想家ではなく、むしろ先見の明のある人物だった。彼は、とりわけ宇宙飛行学の創始者、コンスタンチン・ツィオルコフスキーの思想に感銘を受け、彼と文通を交わした。

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 クルチコフは、原子力エネルギーのおかげで、彼が構想する家は、空中に浮かぶようになり、また個々のカプセルは、家により充電されると考えていた。その際に、家は、磁場に影響を及ぼすことで制御される。そのためには、手を振るだけでいい、というのであった。

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