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ソ連の有名なアニメ「霧に包まれたハリネズミ」、実際は何の話?
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アニメ監督のユーリー・ノルシテインは後に、ハリネズミのイメージはキリストのイコン(聖像画)にインスパイアされたと打ち明けている。「ハリネズミを描いているとき、わたしはアンドレイ・ルブリョフの『ズヴェニゴロドの救世主』を見たのです。英雄の普遍性が感じられるはずです。眼差しにも動きにもです」。
もう一つの予想外なのが、このアニメがダンテ・アリギエーリの叙事詩「神曲」との多くの偶然の一致を持つ点である。2つの作品は、実はストーリーも少し似ている。ハリネズミは2つの世界の境界―いわば浄罪界にいるのだが、最後にハリネズミがほぼ沈んで行くとき、見知らぬ力によって救われるのである。ダンテも地獄、煉獄、天国を旅し、最後に神を見つける。
アニメのアイデアを芸術評議会で発表した際、ノルシテインはこれを一言で説明した。「人生の歩みの半ばで気づくと、わたしは暗い森の中を彷徨っていた」と。これは「神曲」の冒頭の一文である。