『ゲーム・オブ・スローンズ』、『ホワイト・ロータス』にも出演したスター俳優ユーリ・コロコリニコフ

『ゲーム・オブ・スローンズ』、『ホワイト・ロータス』にも出演したスター俳優ユーリ・コロコリニコフ
Ekaterina Сhesnokova / Sputnik
迫力ある容姿だが、おとぎ話のキャラクターや、カリスマ的なロシア人役、一風変わった役柄まで、幅広く演じてきた。2月16日からは、出演するHBOのドラマ『ホワイト・ロータス』の第3シーズンが配信開始された。

 コロコリニコフは1980年モスクワ生まれ。5歳で母親と兄とともにカナダに移住し、2か国をまたいでの暮らしが始まった。

『ゲーム・オブ・スローンズ』、『ホワイト・ロータス』にも出演したスター俳優ユーリ・コロコリニコフ
HBO, 2014

 2000年、映画『In August of 1944』(原題『В августе 44-го…』)で主演。00年代はモスクワの劇場で舞台俳優として活動したが、次第に映画に惹かれていった。

『ゲーム・オブ・スローンズ』、『ホワイト・ロータス』にも出演したスター俳優ユーリ・コロコリニコフ
Xinhua / Global Look Press

 相変わらずカナダとの二重生活を続け、アメリカに行っては出演機会を探した。アルバイトをして生活し、金が尽きるとビーチで野宿したという。そして2014年、ついに運が向いてくる。コロコリニコフはドラマシリーズ『ゲーム・オブ・スローンズ』でゼン族の族長であるスター役に抜擢されたのである。

『ゲーム・オブ・スローンズ』、『ホワイト・ロータス』にも出演したスター俳優ユーリ・コロコリニコフ
Vitali Belousov/Sputnik

 コロコリニコフ自身が語るところによれば、この役をもらったきっかけは、詩人ウラジーミル・マヤコフスキーを演じたことだったという。彼はキャスティングの前日は一日中、映画『VMayakovsky』(原題『ВМаяковский』)のマヤコフスキーの自殺シーンを含む、難しい場面の稽古を行っていた。結果、『ゲーム・オブ・スローンズ』のキャスティング・ディレクターとの面接には興奮状態で挑むことになった。そこで提案されたのが、族長・スターの役だった。

『ゲーム・オブ・スローンズ』、『ホワイト・ロータス』にも出演したスター俳優ユーリ・コロコリニコフ
Alexandr Nezlobin/Plus Studio, Lunapark film company, 2022

「このキャラクターはかなり重苦しい雰囲気を持っています。食人族で、暗い空虚さを抱えており、こうした要素を表現する必要があったのですが、実に快適に演じられました」

と、コロコリニコフは語っている。

 コワモテのロシア人俳優は注目を集め、潜入したKGBのスパイを描くジョー・ワイズバーグのドラマ『ジ・アメリカンズ』、リュック・ベッソン脚本の『トランスポーター イグニション』、サイモン・ウェスト監督の『コードネーム:ストラットン』、パトリック・ヒューズ監督の『ヒットマンズ・ボディガード』、マイケル・ベイ監督の『6アンダーグラウンド』などに出演した。

『ゲーム・オブ・スローンズ』、『ホワイト・ロータス』にも出演したスター俳優ユーリ・コロコリニコフ
Igor Voloshin/Central Partnership, Kinoslovo, CGF, Trite studio by Nikita Mikhalkov, 2025

 2020年にはクリストファー・ノーランの『TENET テネット』にも出演。この時の事を、次のように回想している:

「クリスはどういうわけか、自分の周りの全てのエネルギーを吸収するようで、撮影が終わると、もう寝る以外は何もできなくなります。彼はブラックホールのように、そのシンギュラー・ポイントに吸い込むのです」。

『ゲーム・オブ・スローンズ』、『ホワイト・ロータス』にも出演したスター俳優ユーリ・コロコリニコフ
Legion Media

コロコリニコフにとって、ロシアでの撮影にもハリウッドでの撮影にも変わりは無い。

「場所と、一緒に仕事をするクリエイティブ・クルーが違うだけ」と語る。

『ゲーム・オブ・スローンズ』、『ホワイト・ロータス』にも出演したスター俳優ユーリ・コロコリニコフ
Mikhail Lokshin/Central Partnership, GPM KIT, Kinoslovo, Trite studio by Nikita Mikhalkov, 2020

 どのような役柄であろうと、真剣に取り組むのは同じだ。例えば、ドラマ『心配性たち』(原題『Озабоченные, или Любовь зла』)の出演時にはロッククライミングをマスターした。ドラマ『アムーラ』(原題『Амура』)に出演した際には、日本語のフレーズを練習した。

 コロコリニコフのフィルモグラフィーはメロドラマ、コメディー、アクション、ファンタジー、サスペンスと、多岐にわたる。

「役者なら誰でも、何か過激で刺激的な物を求めていて…役柄だけでなく、危ない橋を渡って、危険なエネルギーに遭遇するようなことを求めていると思います。役者として、他に何ができますか?ただカメラの前で笑っているだけ?それより、もっと自分を試したいですよ」

と彼は語る。

『ゲーム・オブ・スローンズ』、『ホワイト・ロータス』にも出演したスター俳優ユーリ・コロコリニコフ
Mikhail Lokshin/Mars Media, Amedia Production, Profit, 2023

 2023年、ロシアではブルガーコフ原作の『巨匠とマルガリータ』がヒット。この映画でコロコリニコフはコロヴィヨフ役を務めている。ロシア民話をもとにしたファンタジー映画『Wish of the Fairy Fish』(原題『По щучьему велению』)では、ロットマン卿を演じた。

『ゲーム・オブ・スローンズ』、『ホワイト・ロータス』にも出演したスター俳優ユーリ・コロコリニコフ
Alexandr Voitinski/STV film company, Globus film, 2023

 昨年はコロコリニコフにとって重要な一年となった。 ポストアポカリプスものの『The Last Ronin』(原題『Последний ронин』)では主役の復讐者を演じた。『クレイヴン・ザ・ハンター』ではアーロン・テイラー=ジョンソンやラッセル・クロウと共演を果たした。また、チャーリー・ヒュストンの原作をダーレン・アロノフスキーが映画化した『Caught Stealing』にも出演した。

『ゲーム・オブ・スローンズ』、『ホワイト・ロータス』にも出演したスター俳優ユーリ・コロコリニコフ
Maxim Shishkin/Central Partnership, Zoom Production, Okko, 2024

 2025年2月16日には、コロコリニコフも出演している『ホワイト・ロータス』の第3シーズンがNetflix上で配信スタート。第3シーズンの舞台はタイ。制作陣は「死、精神性、悟りを風刺的な視点から」扱ったストーリーを予告している。コロコリニコフ自身は、自らの役柄について、「気の弱い方は見ない方がいい」とだけコメントしている。

『ゲーム・オブ・スローンズ』、『ホワイト・ロータス』にも出演したスター俳優ユーリ・コロコリニコフ
Legion Media

 私生活では、タイシヤとソフィヤの二女の父でもある。

 2か国をまたいでの撮影スケジュールをどうこなしているのか?コロコリニコフによると、不満は一切なく、「楽しんでいる」とのことだ。

 休日の好きな過ごし方は、「寝転がって猫を撫でる」こと。ミヤザキ、ミャウ、レボフスキという3匹のメインクーンを飼っている。

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