ガガーリンが歌ったショスタコーヴィチ作曲の歌
人類初の宇宙飛行士が地球に帰還した翌日、ソ連の新聞は、ユーリー・ガガーリンは飛行中に好きな歌である「祖国は聞いている、祖国は知っている」を口ずさんでいたと書いた。
この歌は1950年、作曲家ドミトリー・ショスタコーヴィチと詩人エヴゲニー・ドルマトフスキーによって書かれたが、きっかけとなったのは、実際に起きた出来事だった。第2次世界大戦中、従軍記者だったドルマトフスキーが前線から飛行機で帰還する途中のこと。パイロットから借りたヘッドホンからは、飛行場の無線局が中継する音楽が聞こえていた。この時ドルマトフスキーに、帰還する飛行機に方位を誘導する歌を書こうというアイディアが生まれた。
後年、ショスタコーヴィチとドルマトフスキーが戯曲用の作曲に取り組んでいた際に、このアイディアを実現した。戯曲は結局上演されなかったが、歌は日の目を見た。この歌の「宇宙飛行」が初めて実現したのは1957年。世界初の人工衛星からの信号と組み合わせ、冒頭の一節が全ソ連ラジオ放送の最新ニュースのコールサインに用いられた。その数年後に、ガガーリンが口ずさんだ。
今日は、作曲者のドミトリー・ショスタコーヴィチの生誕120年の日である。