あの『All By Myself』で、ラフマニノフのメロディが使用されているのをご存じでしたか?
エリック・カルメンがこの名曲を手掛けた時、彼はクラシック曲がパブリックドメインになっていると思っていたが、これは勘違いだった。
20世紀を代表するこのバラードでは、ロシアが世界に誇る大作曲家の1人、セルゲイ・ラフマニノフのメロディが一部使用されている。アメリカのエリック・カルメンは1975年にこの曲を作った際、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番の影響を受けていた。
「私はラフマニノフのピアノ協奏曲第2番(1901年作曲)を聴いて、そのメロディを曲の一節に用いた」
と、カルメンは語っている。
サビの部分には、カルメンは自身の過去作である『Let's Pretend』を転用した。
カルメンは翌1976年のヒット曲『Never Gonna Fall in Love Again』でも、ラフマニノフの楽曲を用いている。この時に使われたのは交響曲第2番の第3楽章(Adagio)だった。
カルメンはラフマニノフの楽曲に深い感銘を受けていた。聴くたびに毎回、「鳥肌が立つ」のを感じたとまで言っている。そして、このクラシック曲の旋律を、広く人々と分かち合いたいと願うに至った。
カルメンを感動させたのは、彼がラフマニノフの楽曲から感じた哀愁であった:
「交響曲第2番とピアノ協奏曲第2番を作曲した時、ラフマニノフが幸福であったとは、とても思えない。彼のメロディにある苦悶と不安が、万事順調な時に表現されたとは思えないのだ」。
カルメンはラフマニノフの楽曲を使うにあたって、法的な面でミスを犯したと認めている。彼は楽曲がすでにパブリックドメインになっていると勘違いしていたのだ。しかし、ほどなくしてラフマニノフの相続者たちから連絡があり、支払いについて合意がまとまった。