トルストイの名を冠した文学賞を受賞した世界の作家たち
作家ジョゼ・エドゥアルド・アグアルーザ、トリノ、イタリア、2017年9月9日
文学賞「ヤースナヤ・ポリャーナ賞」は2003年に創設され、ロシア古典文学の伝統を受け継ぎ、トルストイが重んじた人間愛、慈悲、道徳の理念を体現する作品を生み出した作家たちに贈られてきた。2015年には、海外の作家を表彰する「外国文学」部門も設けられた。
今年、この部門で受賞したのは、アンゴラの作家ジョゼ・エドゥアルド・アグアルーザ。受賞作は小説『クレオールの国』だ。では、これまでに「外国文学」部門で受賞した海外の作家には、どのような顔ぶれがいるのだろうか。
2016年には、トルコの作家 オルハン・パムク が『僕の違和感』で受賞した。ノーベル文学賞受賞者でもあるパムクの作品は、東洋と西洋の交差点における文化的対話、記憶、アイデンティティといったテーマを探求している。2014年に発表された『僕の違和感』は、イスタンブールで路上販売を営むメヴルトの人生を中心に、3世代にわたる家族の物語を描いた作品だ。
2017年には、マリオ・バルガス=リョサ が『つつましい英雄』で受賞した。ペルー出身の小説家・劇作家である彼は、ラテンアメリカ文学ブームを代表する作家の一人であり、ノーベル文学賞も受賞している。2013年に発表された『つつましい英雄』では、二つの物語が交錯する。一つは、地方都市ピウラで暮らす実直な運送業者フェリシト・ヤナケが、謎の脅迫事件に巻き込まれる物語。もう一つは、首都で成功を収めた実業家イスマエル・カレーラが、晩年になって家政婦との結婚を決意する物語だ。
2018年には、イスラエルの作家 アモス・オズ が小説『ユダ』で受賞した。物語の舞台は1959年のエルサレム。お金も人生の明確な目標も失った、学生生活を長く続けているシュムエル・アシュは、ある求人広告を見て古い家に住み込むことになる。そこで年老いた知識人と対話を重ねながら、ユダの裏切りの謎を解き明かそうとし、イスラエル建国の歴史を新たな視点から考え直していく。
2021年には、イギリス文学界の巨匠 ジュリアン・バーンズ が『Nothing to Be Frightened Of(恐れることは何もない)』で受賞した。これは極めて個人的なエッセイであり、バーンズは死への恐怖や信仰、哲学者である兄との関係、そして自身の家族の歴史について思索を巡らせている。
2011年のマン・ブッカー賞受賞者で、『Departures』の著者でもあるジュリアン・バーンズ。2026年10月11日、イギリス・タプロウのクリブデン・ハウスで開催された「クリブデン文学祭」にて。
2025年には、もう一人のノーベル文学賞受賞者、中国の作家 莫言(モー・イエン) が小説『白檀の刑』で受賞した。清朝末期を舞台にした歴史大河小説で、1899~1901年に起きた義和団事件という実際の歴史的出来事を背景としている。
このほかにも、ルース・オゼキ(『あるときの物語』)、エルナン・リベラ・レテリエ(『復活の芸術』)、余華(ユイ・ホア、『兄弟』)、ヴェンコ・アンドノフスキ(『世界のへそ』)、ジュヘ・キム(『小さな土地の獣たち』)、パトリシア・ダンカー(『ジェームズ・ミランダ・バリー』)などが、これまでに同賞を受賞している。