デジタル・ルーブルとは:ロシア通貨の新形態をめぐる4つの疑問

ペラゲーヤ・チホノワ / Sputnik
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それは何なのか、どうやって支払うのか、どこで手に入れ、何に使えるのか。本稿で解説しよう。

 2026年9月1日から、ロシアではデジタル・ルーブルでの支払いが正式に可能になった。これは一般の人々や企業にとって何を意味するのだろうか。最も重要な点をまとめてみた。

1.デジタル・ルーブルとは何か?

ペラゲーヤ・チホノワ / Sputnik
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 デジタル・ルーブルは、現金、非現金決済に続く、ロシアの国民通貨の第3の形態である。最大の違いは、1つ1つのデジタル・ルーブルに固有の識別番号が付けられており、そのルーブルを使って行われたすべての取引を確認できることだ。

 「たとえば、ある企業が特定の契約のために国家予算から資金を受け取ったとします。その後、その企業が本当に請負業者に代金を支払ったのか、給与を支払ったのか、あるいは資材を購入したのかを追跡することができます」。雑誌『モノクリ』経済部編集者のエヴゲニヤ・オブホワは、こう説明する。

 非現金のルーブルとは異なり、デジタル・ルーブルを発行するのは商業銀行ではなく、ロシア中央銀行だ。中央銀行は、デジタル・ルーブルはあくまで決済手段であると強調している。そのため、少なくとも現時点では、デジタル・ルーブルを預金にしたり、キャッシュバックを受けたり、融資に利用したりすることはできない。これらは引き続き商業銀行の業務となる。

2.なぜデジタル・ルーブルが必要なのか?

 「国家にとっては、予算資金を管理するための手段です。一方、一般の人にとっては、単に商品代金を支払うための新たな方法の1つにすぎません」。エヴゲニヤはこう言う。

 「デジタル・ルーブルによって、あらゆるレベルにおける予算支出の効率性と管理能力を高めることができます。これには、請負業者の連鎖全体を通じて、最終的に資金を受け取る個人に至るまで、その資金の配分を把握することも含まれます」。ロシア国家院(下院)金融市場委員会委員長のアナトリー・アクサコフは述べている

 「デジタル通貨は、ここ数年の世界的な潮流です」とエヴゲニヤは指摘する。「ナイジェリア、バハマ、中国にはすでにこうした経験があります。ヨーロッパやアメリカの国々も、同じ方向へ進んでいます」

3.デジタル・ルーブルはどうやって使うのか?

セルゲイ・ブルキン / TASS
セルゲイ・ブルキン / TASS

 現在、ロシア銀行のプラットフォーム上でデジタル・ウォレットを開設できるのは、政府サービスポータル「ゴスウスルギ(Госуслуги)」で本人確認済みのアカウントを持つ、成年のロシア国民に限られている。

 デジタル・ウォレットは、この制度に参加しているロシア国内のいずれかの銀行のアプリを通じて開設する。

 見た目上、デジタル・ルーブルの口座は通常の銀行口座とよく似ている。ただし、特定の銀行には依存していない。取引の仕方も、非現金のルーブルの場合と同じだ。

 現在、個人がデジタル・ウォレットに入金できる金額は、1か月あたり30万ルーブル(約3,500ドル)までとなっている。法人には制限がない。

 現金が必要な場合には、まずデジタル・ルーブルを通常の銀行口座に戻し、その後、ATMで現金を引き出す必要がある。

 個人間の送金は無料だ。自分自身の口座や、友人、親族に送金することができ、送金額に上限はない。

 店舗では、QRコードを使ってデジタル・ルーブルで支払うことができる。銀行アプリには、高速決済システム「SBP」を利用して支払うか、デジタル・ルーブルで支払うかという選択肢が表示される。

 企業については、2026年末までは取引手数料がかからない。その後も、ロシア銀行の説明によれば、手数料は現在の決済市場における最低水準になるという。

4.デジタル・ルーブルの安全性はどのように守られているのか?

 デジタル・ウォレットは、追加の本人確認とパスワードによって保護されている。

 利用者は商業銀行のアプリを通じてデジタル・ウォレットを利用するが、そこにある資金は、その商業銀行自体には紐づけられていない。そのため、仮に詐欺師が通常の銀行口座に不正アクセスしたとしても、デジタル・ウォレットは安全なままだという。

 さらに、デジタル・ルーブルを詐欺の仕組みに利用することは、事実上ほとんど意味がない。すべての取引を、いつでも追跡することができるからだ。

 また、仮に商業銀行が破綻したとしても、デジタル・ウォレットはそのまま維持される。利用者は、別のどの銀行を通じても、自分のデジタル・ウォレットにアクセスすることができる。