ロシアに古くから伝わる飲み物7選

Nikolay_Donetsk / Getty Images
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今ではすっかり当たり前になっている紅茶やコーヒーだが、長い間、ロシア料理には存在しなかった。寒い時はベリー類、ハーブ、ハチミツ入りの浸酒であたたまるものだった。

1.スビテン

TanyaSid / Getty Images
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 長年にわたってロシアの代表的な冬の飲み物といえばスビテンであり、アルコールを含むものと含まないものがあった。12世紀に登場し、人気のピークは15~19世紀。ハチミツをお湯に溶かし、オトギリソウやハッカ、サルビア、スパイスなどを加えた。ハチミツとハーブは別々の容器で準備し、その後混ぜて泡立てた。スビテニという名称も、ロシア語で「混ぜて泡立てる」という語からきている。通常、市などで飲まれた。

2.メドヴーハ

MurzikNata / Getty Images
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 古くから知られる、微量のアルコールを含む甘い飲み物。ロシアでは単に「ミョード」(ハチミツ)ないし「ピトヌイ・ミョード」(飲むハチミツ)とも呼ばれた。まずはオーク材の樽に入れて、地中に埋めて5年から20年ほど寝かせる。11世紀頃からは煮て作るようになり、製造期間も1か月程度まで縮まった。18世紀になるとハチミツの発酵による製法が確立され、メドヴーハの製造はさらに容易になった。

 メドヴーハは祝宴に欠かせない一品で、必ず食事前に飲んだ。主人のおもてなしの精神を象徴する飲み物でもあった。

 現在、伝統的なメドヴーハ作りはスーズダリ、ヴェリーキー・ノヴゴロドに残っている。

3.フレノヴーハ

KonstantinBelov / Getty Images
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 アルコール度数の強い、西洋ワサビの浸酒。風味を和らげるためにハチミツ、ニンニク、スパイスなどを加えることも多い。

 18世紀初頭、ピョートル1世は寒さの中で重労働に従事する人々のために、フレノヴーハを貯蔵するよう布告もしている。

 この伝統的な飲み物について、ロシアでは2016年からGOST規格が適用されており、人工添加物の使用が禁止されている。

4.ドゥシェパルカ

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 ヤロスラヴリ生まれの古い飲み物で、ホップとベリー類、ハチミツから作り、熱々のものを飲む。名称は「心を溶かす」という意味で、この飲み物の性質を実によく表している。味は、ベリー由来の酸っぱさと軽い渋み、スパイス由来の微かな辛味が特徴。

5.ベリョゾヴィツァ

morisfoto / Getty Images
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 スラブ人の最古級の飲み物の1つ。早春に採取した白樺の樹液を大型の桶に溜めて発酵させて作る。ルーシにおいては10~11世紀頃まで最も一般的な飲み物だったが、やがてクワスに取って代わられた。

6.ブラーガ

vubaz / Getty Images
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 低アルコール飲料で、ライ麦クワスに近い。一般的には家庭で作るもの。発酵させて酸味を出したキビ、カラスムギの麦芽、大麦、ライ麦粉などが原料。後にブラーガは様々な家庭用飲料のベースともなっていく。

 また、儀式用の飲み物でもあり、供養の膳にも添えられた。

7.クワス

Yingko / Getty Images
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 もちろん、農民から統治者まで皆が飲んだ、ロシアを代表する飲み物も忘れてはいけない。クワスは昔も現在に変わらず、ライ麦パン、ライ麦粉、ライ麦乾パンを発酵させて作る。軽く炭酸の入った甘酸っぱくて美味しい、微量のアルコールを含んだこの飲み物は清涼飲料としても人気があるが、夏のスープであるオクローシカのベースとしも重宝されている。