１９２５年のロシア：ソ連の草創期はどんな状況だったか（写真特集）

　１年前、革命の指導者、そしてソ連の建国者、ウラジーミル・レーニンが亡くなり、モスクワの「赤の広場」に、間もなく仮の霊廟が建てられ、その後さらに、より大規模な木造の霊廟に建て替えられた…　そして、ようやく５年後、恒久的な霊廟が建設された。それが現在、クレムリンの壁のそばにある「レーニン廟」だ。下の写真では、共産党の指導者たちが、霊廟の演壇で演説している。 

　　「赤の広場」は、パレードの主要会場となった。革命記念日、赤軍創設記念日、５月１日のメーデーなど、ソ連にとって重要な記念日がここで祝われた。下の写真は、メーデーの自転車パレードだ。 

　　すでに当時から、最新技術のデモンストレーションをともなう軍事パレードが行われた。

　　ボリシェヴィキ政権は、積極的に国民生活を変革していった。とくに、技術革新と電化は、飛躍的に進んだ。写真は、有名な「イリイチのランプ」と、それを興味津々に眺める農民だ。

　　これから先、長年にわたり、エンジニアは、最も名誉ある重要な職業となるだろう。

　　かつて、結婚は教会でのみ行われていたが、ボリシェヴィキ政権は、それを民事手続きとした。さらに、正教徒だけでなくイスラム教徒も、戸籍登録機関（ザックス）で婚姻届を提出するようになった。

　　ヨシフ・スターリンと、アジアのソビエト共和国の代表者たち。スターリンは、政治的影響力を増しつつあったものの、まだ単独の独裁者ではなかった。

　　ボリシェヴィキ政権は、帝政ロシアの遺産を接収した（そして独自の形で利用した）。例えばクリミアの宮殿には、労働者と農民のためのサナトリウムが設けられた。写真は、クリミアのリヴァディア宮殿の中庭で休暇を過ごす人々。 

　　１９２５年にはクリミアに、今では世界中で知られる児童キャンプ「アルテク」が設立された。初年度は、様々な都市から８０人の子供が、海岸沿いに設営された4つのキャンバステントに集まった。

　　もはや存在しない、モスクワのスハレフ塔（ピョートル大帝の命令で、１６９５年に建設された）。これから１０年足らずの１９３４年に、ボリシェヴィキ政権が撤去する…。

　　１９２５年、モスクワのランドマークの一つであり、構成主義の傑作でもある「モッセリプロム」が建設された。ファサードの広告（そしてこの写真）は、アレクサンドル・ロトチェンコによる。

　　アレクサンドル・ロトチェンコは、誇張抜きで、当時のソ連で最も有名な写真家となった。彼のアプローチは、革新的で前衛的だ。この有名な写真「避難用はしご」に見られるような、奇抜なアングルもその一つだろう。

　　あるいは、実質的に現代の「魚眼レンズ」を思わせるものもあった。車の運転手を、サイドミラーを通して撮影した。 

　　こちらは、ロトチェンコの妻、ワルワーラ・ステパノワ。彼女も有名なデザイナーだ。彼女のデザインでプリントされたスカーフを被っている。 

　　ソ連のファッション。リーリャ・ブリーク（詩人マヤコフスキーのミューズであり、この時代のセックスシンボル）と、ナデジダ・マカロワ＝マスロワ。二人は、ファッションデザイナーのナデジダ・ラマノワのドレスを披露する。

　　第一次ロシア革命と戦艦ポチョムキンの反乱から２０年後、セルゲイ・エイゼンシュテイン監督は、同名の映画を製作した。これは、カルト的な人気を博した、この映画のスチール写真だ。

　　『戦艦ポチョムキン』の公開前、クラスノダールの映画館は、このように飾られた。

　　年末、国中を悲劇的なニュースが襲った。有名な詩人、セルゲイ・エセーニンが、レニングラード（現サンクトペテルブルク）のアングレテール・ホテルの一室で、自殺したのだ。詩人の遺体の写真は、広く拡散され、額の傷から、暴力による死だったという噂が広まった。 

　　若きソビエト国家の生活を示す写真を何枚かご紹介しよう。レニングラード（現サンクトペテルブルク）のエラーギン島の公園で休暇を過ごす人々。 

　　この国を代表する演劇人。コンスタンチン・スタニスラフスキーとウラジーミル・ネミロヴィチ＝ダンチェンコ。

　　ソ連最初の消防車。消防に関わる有志が、外国製の車両から組み立てた。

　　チェリャビンスクの工場行きのバス。 

　　レーピンの名画「ヴォルガの船曳き」を彷彿させる、ニジニ・ノヴゴロドの放浪者たちが、路傍で一息ついている。

　　第２回ソ連テニス選手権優勝者、エレーナ・アレクサンドロワ＝ポセリスカヤ。