GW2RU
GW2RU

AI専門家を育成するロシアの大学12校

Pekic / Getty Images
これらの大学では、ロシア人だけでなく、外国の学生も学ぶことができる。

 2025年、ロシアのデジタル発展省は、人工知能分野の専門家を育成する大学リストを承認した。このリストには、ロシア13地域から22の大学・研究機関が含まれている。

 それらは、二つのレベルに分けられている。Data science、すなわちモデルの追加学習と調整を行うレベルと、Top Data Science、すなわちその卒業生が科学研究とAIモデルの創出に参加するレベルだ。

 これらの大学では、AIに関連する72のトップ・プログラムで学生を教育している。学生はテクノロジー企業や各産業分野の企業でインターンシップを行い、AI分野の研究にも参加する。

 2023年から、AI分野の専門家を育成する大学ランキングを、人工知能分野のアライアンスが作成している。このランキングには、学士課程プログラムを持つ大学が含まれる。ランキング作成にあたっては、卒業生の採用市場での需要、AI分野における教育課程の現代性、学生が大学で過ごす環境の快適さ、大学の提携プログラムが考慮される。

1.高等経済学院(モスクワ)

©高等経済学院

 高等経済学院にはAIセンターがあり、その職員たちはこの分野で4つのグローバル研究と30を超える応用研究を進めている。コンピュータ科学部では、学士課程「応用数学・情報学」の枠内にAI工学プログラムがある。また、サンクトペテルブルク分校の「情報学・物理学・技術スクール」学部には、学士課程「応用データ分析とAI」がある。さらに同大学には、オンライン修士課程プログラムもある。

2.ITMO大学((Information Technologies, Mechanics and Optics University)(サンクトペテルブルク)

 ITMO大学には、ロシア最大のこの分野の機関である人工知能研究所 https://iai.itmo.ru/ がある。人工知能技術学部は、研究センター「産業用強化人工知能」および国立認知開発センターと共同で活動している。ビッグデータと機械学習、産業におけるAI、AIと行動経済学を専門とする修士課程プログラムが開設されている。また、AI工学の学士課程もある。

 学生は1年次から、研究センター「産業用強化人工知能」および国立認知開発センターで実際の業務経験を得ることができる。さらに同大学には、大規模なオンライン修士課程プログラムもある。

3.モスクワ物理工科大学(MIPT)(ドルゴプルドヌイ、モスクワ州)

 同大学の応用数学スクールには、修士課程プログラム「AIの先端的方法」がある。用意されているのは国費枠のみだ。学生は機械学習、生成ネットワーク、データサイエンスの分野で教育を受ける。同時に、巨大テクノロジー企業の計算資源にアクセスするための助成金を得る可能性もある。モスクワ物理工科大学の修士課程プログラムは、基礎的方法とマルチモーダルAIに重点を置いている。

 ちなみに、このモスクワ郊外の大学は、数学専攻の学生に対し、宿題準備の際、問題設定、解答の検証、論理的誤りの探索にAIを利用することを最初に認めた大学だ。

4.インノポリス大学(カザン)

@インノポリス大学

 同大学では、AIの数学的基礎、データ工学のほか、AI・機械学習・コンピュータビジョンを用いたロボットシステムの構築を教えている。また、データ分析と人工知能に関連する英語のプログラムもある。これは、ソフトウェア製品の構築を目的としている。

5.南部連邦大学(ロストフ・ナ・ドヌ)

 南部連邦大学でAI専門分野への最初の募集が行われたのは2025年だ。同大学の学士課程には、AI分野の二つの方向がある。第一は、この分野の先端研究、すなわち基礎研究やニューラルネットワークのアーキテクチャ設計に従事したい者のためのもの。第二は、応用的ソリューションの将来の開発者、および具体的な課題に合わせてAIを調整する専門家のためのものだ。

 教育は、同大学の二つの部門、すなわちロストフ・ナ・ドヌのヴォロヴィチ記念数学・力学・コンピュータ科学研究所と、タガンログにある南部連邦大学コンピュータ技術・情報セキュリティ研究所で行われる。

6.サンクトペテルブルク大学(サンクトペテルブルク)

 昨年から、サンクトペテルブルク大学では、AI分野の教育プログラムが始まっている。同大学は、「機械学習の数学」プログラムを持つロシアの5大学の一つである。このプログラムでは、数学教育が機械学習および産業実践と組み合わされている。

 将来の開発者のためには、「人工知能とデータサイエンス」プログラムがある。システム分析と管理の専門家は、「応用コンピュータ技術と人工知能」プログラムで育成される。学生は、ヤンデックス、ズベルバンク、VKを含むロシアの主要テクノロジー企業で実習を行うことができる。教育はロシア語と英語で行われる。

7.バウマン記念モスクワ国立工科大学(モスクワ)

 AI分野の専門家は、情報学・制御システム学部で育成されている。学生は、情報処理・制御の自動化システムにおけるAI、ビッグデータを扱うシステムの開発、ビッグデータの知的分析のためのプラットフォーム型ソリューションの構築を学ぶ。

8.ウラル連邦大学(エカテリンブルク)

 ウラル大学では、教員と学生が、教育・研究・管理業務においてニューラルネットワークとAIツールを使用することが公式に認められている。これは、定型業務を自動化し、学習計画を個別化し、創造的活動のための時間を解放するためだ。

 推薦システムの将来の開発者とAIエンジニアは、個別トラックで学ぶ。その難易度は、統一国家試験または学内試験(いずれも入学試験)の結果によって決定され、2年次からは学生自身が、学習に必要な科目の組み合わせを決める。

9.ロシア諸民族友好大学(旧名:パトリス・ルムンバ記念民族友好大学)(モスクワ)

 人工知能学部は、すでに2年間活動している。学生は、機械学習、ニューラルネットワーク、コンピュータビジョン、ビッグデータ分析の各分野で学んでいる。AIは教育課程の不可欠の一部になっている。AIを用いて、個別の学習プログラムが形成され、指導教員が選ばれ、研究課題のテーマが推薦され、宿題の確認の自動化が支援される。

10.ロシア連邦政府付属金融大学(モスクワ)

 同大学には、AIに関連する3つのプログラムがある。応用機械学習の学士課程と修士課程、そして大学院博士課程「人工知能と機械学習」である。AI講座には、コンピュータビジョン研究室とデータ分析教育研究室があり、後者はとりわけ「LLM都市」、すなわち住民が大規模言語モデルによって表現される都市の仮想モデルを構築している。

11.スコルテック(モスクワ)

 スコルコヴォ科学技術大学には、AI研究と応用モデルの構築に関連するいくつかの修士課程プログラムがある。また、ヤンデックスとの提携により、ロボット工学における知的モデルに関するプログラムもある。プログラムの使用言語は英語である。入学するには出願が必要だ。授業料は徴収されず、選考を通過した候補者にはスコルテックから奨学金が支給される。

12.モスクワ工学物理大学(モスクワ)

 この原子力研究大学の学生たちは、情報システムの設計と開発における認知過程のモデリングを学んでいる。また、エクストリーム・プログラミングと人工知能工学に関する特別プログラムもある。修士課程プログラム「ケモインフォマティクス(化学情報学)と計算生化学」は、人工知能、応用化学、実験生物学、機械学習法という複数の科学の交差領域で、専門家を育成している。