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コマンドルスキー諸島、希少な水色ホッキョクギツネの生態
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ベーリング海のコマンドルスキー諸島。厳しい環境で知られるこの島々に、ロシアのレッドブックに記載されている希少なホッキョクギツネが生息している。「水色ホッキョクギツネ」とも呼ばれるが、これは冬季と夏季に灰褐色の毛皮の下に、青みがかった地肌が見えるためだ。極圏に生息する普通のホッキョクギツネと違い、水色ホッキョクギツネは冬でも換毛しない。
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生息域は、コマンドルスキー諸島のメードヌイ島とベーリング島。メードヌイ島はベーリング島よりひと回りほども小さいが、両者の形はとてもよく似ている。専門家はベーリング島における生息数を400~500頭、メードヌイ島は100~120頭と推定している。
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普通のホッキョクギツネと同様、水色ホッキョクギツネも網目状に分岐した巣穴を作り、冬が到来すると、雪の中に巣を作ることもある。
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この諸島特有の水色ホッキョクギツネは17世紀半ばにロシアの学者によって発見された。当時、学者たちは、このキツネが人間を全く警戒していなかったと記録している。今でも状況は変わっていない。人間が何か美味しい物を持っていると分かると、水色ホッキョクギツネはすぐに寄って来る。
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