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冶金工の街チェレポヴェツ、5つの観光プラン

アレクサンドラ・グゼワ
ヴォログダ州のチェレポヴェツ市は、旅行ガイドやトラベルブロガーには滅多に取り上げられないマイナー都市。だが、この街の文化は以外なほどに豊かで多様なのだ。

1.貴族の生活文化に触れる

ガリツキー邸
アレクサンドラ・グゼワ

 市を代表する文化財の1つにして、街のシンボルとなっている建築が、ガリスコイ屋敷である。水色が眩しい堂々たる地主邸宅は、シェクスナ川沿岸の景観に見事に溶け込んでいる。

ガリツキー邸の内部
アレクサンドラ・グゼワ

 この貴族屋敷はソ連時代に国有化され、中等技術学校と寮として利用された。ペレストロイカ後は修復され、19世紀の内装も復活した。

2.川と河港を楽しむ

 チェレポヴェツは、シェクスナ川とヤゴルバ川の合流地点の砂州に位置し、ルイビンスク貯水池にも近い産業都市である。バルト海からヴォルガ河に至る水路上にあるため、帝政時代は河川交通の要所であった。

シェクスナ川
アレクサンドラ・グゼワ

 河港は片時も休まない。新しい河岸通りを散歩すると、クレーンがせわしなく動き、クルーズ船やはしけ船が出入りする様子が観察できる。もちろん、印象的な撮影スポットもある。カフェで太陽の沈むのを眺めるのも良し、遊覧船でシェクスナ川からの街の眺めを楽しむのも良しだ。

3.街が生まれた場所を訪ねる

復活大聖堂
Snowman47 (CC BY-SA 4.0)

 河岸の散歩道からほど近いところに、ソボルナヤ丘がある。まさにここが、チェレポヴェツ市が始まった場所である。14世紀、ラドネジのセルギイの弟子であるフェオドーシイとアナファーシイがこの地に復活修道院を築いた。その周囲に居住地が発生し、1777年にエカテリーナ2世の命によって都市の資格を与えられた。

 18世紀の復活大聖堂は、現在のチェレポヴェツで最古の建築で、同じソボルナヤ丘に建っている。ちなみに、この大聖堂はソ連時代も閉鎖を免れた。

4.現代のメインストリートを歩く

ソヴェツキー大通り
アレクサンドラ・グゼワ

 ソボルナヤ丘に突き当たるのが、市のメインストリートである、ソヴェツキー大通りだ。ソビエトに由来する古めかしい名称だが、チェレポヴェツ市の最新トレンドが集まる場所である。歩行者ゾーンと、ゆったりしたベンチ、テラス付きのカフェ、美しい赤レンガ作りの建物が建ち並び、博物館も数多い。

 そのうちの1つ、美術博物館は古いイコンと18~20世紀のロシア絵画の一大コレクションを誇る。

チェレポヴェツ美術館
チェレポヴェツ博物館協会

 近くにある20世紀初頭の建物はカメルヌイ劇場で、大人向けから子供向けまで幅広い演目を上演している。

カメールヌイ(チャンバー)劇場
ShizaCat (CC BY-SA 4.0)

5.ロシアの冶金の歴史を学ぶ

 チェレポヴェツは、「冶金工の街」と呼ばれる。1955年に創業したチェレポヴェツ冶金コンビナートは、国内でも最大級の規模を誇った。現在も稼働している。

製鉄業博物館
museummet.ru

 インタラクティブ博物館複合体「冶金産業センター」はコンビナート内にあり、鉄鋼の精錬の始まりから現在のハイテクプロセスまでの歴史を学べ、ARを活用して製造現場を体験することもできる。