オラニエンバウムのみどころガイド

Legion Media
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伝えられるところによると、アレクサンドル・メンシコフ公爵が宮殿を建てようとした土地に橙の木の温室があったという。木にはドイツ語で「Oranienbaum」という表記が付けられていた。フィンランド湾沿岸にあるこの土地は、ペテルブルグ郊外でも屈指の美しさを誇る場所となった。

 ピョートル1世もこの地を訪れた。後にメンシコフが公金横領の咎で財産を没収されると、ピョートル3世がオラニエンバウムの所有者となった。彼は1762年、この地で退位したとされる。現在のオラニエンバウムは、美しい公園が絶好の散策コースとなっており、美しい宮殿と優雅なパヴィリオンを鑑賞できるスポットだ。

 アクセス: サンクト・ペテルブルグ市内から鉄道で訪れる場合の最寄りは、「オラニエンバウム-1」駅。また、市内の地下鉄アフトヴォ駅とプロスペクト・ヴェテラノフ駅からバスも出ており、ロモノーソフ=ヴラディーミルスカヤ・ウリツァ停留所が最寄りだ。

大メンシコフ宮殿

アレクセイ・ダニチェフ / Sputnik
アレクセイ・ダニチェフ / Sputnik

 みどころ: 敷地内最大の建物。1階部分はかつて維持管理用の施設であり、現在はアレクサンドル・メンシコフの歴史上の役割をたどるマルチメディア展示となっている。また、教会棟には聖パンテレイモン教会がある。教会はまだメンシコフ公爵存命の頃、ロシアの海戦における勝利の記念に建てられ、2000年代に内装が修復されてイコノスタシスと絵画が復活した。2階部分も宮殿の広間が19世紀の調度品とともに再現されている。

Alexandrovy AG (CC BY-SA 4.0)
Alexandrovy AG (CC BY-SA 4.0)

 チケット: ロシア国民およびロシアの税法上居住者(パスポートないし居住を証明する文書の提示が必要)は750ルーブル(〜1340円)。外国人は1500ルーブル(〜2700円)。料金にはロシア語でのガイド料金が含まれる。通訳を伴うグループツアーは9000ルーブル(〜16100円)。夏季シーズンはオラニエンバウム公園の入場料が追加で発生する:ロシア国民は450ルーブル(〜805円)、外国人は900ルーブル(〜1610円)。チケットは博物館の売り場の他、Webからも購入可能

中国宮殿

アレクセイ・ダニチェフ / Sputnik
アレクセイ・ダニチェフ / Sputnik

 みどころ: エカテリーナ2世の個人邸で、シノワズリ様式の内装が特徴。中でも、絹糸とガラスビーズで刺繍された12の壁画パネルが彩る「ガラスビーズの執務室」が印象的。背景のきらめきの中を蝶や鳥が舞い、金メッキされた枠は木の幹を思わせる造形だ。

アレクセイ・ダニチェフ / Sputnik
アレクセイ・ダニチェフ / Sputnik

 チケット: ロシア国民およびロシアの税法上居住者(パスポートないし居住を証明する文書の提示が必要)は750ルーブル(〜1340円)。外国人は1500ルーブル(〜2700円)。夏季シーズンはオラニエンバウム公園の入場料が追加で発生する:ロシア国民は450ルーブル(〜805円)、外国人は900ルーブル(〜1610円)。雨天時および高湿度の時は閉鎖される。

 チケットは博物館の売り場で購入可能。

カタリナヤ・ゴルカ・パヴィリオン

Andrey Korchagin (CC BY-SA 2.0)
Andrey Korchagin (CC BY-SA 2.0)

 みどころ:1801年まで、この離れには傾斜面が備え付けられており、オラニエンバウムの住人たちが専用のソリで滑っていた。しかし年月を経てこのアトラクションは老朽化し、建物は接待に用いられるようになった。白と水色の涼し気な外観の建物の内部では、この建物専用に焼かれた陶磁器が展示されており、18世紀当時のロシアの主要な出来事を物語っている。

Michael Neubert (CC BY-SA 2.0)
Michael Neubert (CC BY-SA 2.0)

 チケット: ロシア国民およびロシアの税法上居住者(パスポートないし居住を証明する文書の提示が必要)は400ルーブル(〜715円)。外国人は800ルーブル(〜1430円)。料金にはロシア語でのガイド料金が含まれる。夏季シーズンはオラニエンバウム公園の入場料が追加で発生する:ロシア国民は450ルーブル(〜805円)、外国人は900ルーブル(〜1610円)。チケットは博物館の売り場の他、Webからも購入可能。 

カルティンヌイ・ドーム

A.ドロズドフ/SPb vedomosti / TASS
A.ドロズドフ/SPb vedomosti / TASS

 みどころ: ピョートル3世の頃、この建物内には博物館、劇場、図書館、絵画ギャラリーがあった。現在、建物内のオペラホールではロシア演劇に関するマルチメディア上映が行われている。また、18世紀ヨーロッパの巨匠たちの絵画や、中国コレクションも展示されている。

 チケット: ロシア国民およびロシアの税法上居住者(パスポートないし居住を証明する文書の提示が必要)は350ルーブル(〜625円)。外国人は600ルーブル(〜1072円)。料金にはロシア語でのガイド料金が含まれる。夏季シーズンはオラニエンバウム公園の入場料が追加で発生する:ロシア国民は450ルーブル(〜805円)、外国人は900ルーブル(〜1610円)。チケットは博物館の売り場の他、Webからも購入可能

ピョートル3世の宮殿

アレクセイ・ダニチェフ / Sputnik
アレクセイ・ダニチェフ / Sputnik

 みどころ: 後にピョートル3世となる皇太子の「演習用」要塞ペテルシュタットのうち、第二次世界大戦を生き延びた数少ない建築の1つが、この宮殿である。彼の別邸でもあった。ごく小さな宮殿だが、これは高名な建築家アントニオ・リナルディの初めての独自設計の建築という点で、極めて貴重である。

 チケット: ロシア国民およびロシアの税法上居住者(パスポートないし居住を証明する文書の提示が必要)は350ルーブル(〜625円)。外国人は600ルーブル(〜1072円)。料金にはロシア語でのガイド料金が含まれる。雨天時および高湿度の時は閉鎖される。

 チケットは博物館の売り場で購入可能。

「中国キッチン」パヴィリオン

Nikoniko962 (CC BY-SA 4.0)
Nikoniko962 (CC BY-SA 4.0)

 みどころ: 宮殿のキッチンの内装と、タイル張りのかまどが再現されている。かつてこの室内で菓子作りが行われ、茶菓係が紅茶やコーヒー、その他の飲料を用意した。

 チケット: ロシア国民およびロシアの税法上居住者(パスポートないし居住を証明する文書の提示が必要)は300ルーブル(〜536円)。外国人は600ルーブル(〜1072円)。料金にはロシア語でのガイド料金が含まれる。夏季シーズンはオラニエンバウム公園の入場料が追加で発生する:ロシア国民は450ルーブル(〜805円)、外国人は900ルーブル(〜1610円)。チケットは博物館の売り場の他、Webからも購入可能

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