ファンなら見逃せない、サンクトペテルブルクの文学スポット8選
1.青銅の騎士
馬上のピョートル1世の像が「青銅の騎士」と呼ばれる所以は、アレクサンドル・プーシキンの作品だ。プーシキンは同名の詩でペテルブルクを謳いあげ、詩節はたびたび引用される慣用句となった。作中、洪水で愛する人を失った主人公が狂気に陥り、ペテルブルクの街を作ったピョートルにその悲憤をぶつけるべく、青銅の騎士に挑む。
2.『罪と罰』の舞台、コロムナ
ロジオン・ラスコーリニコフゆかりの地を歩き、井戸状の中庭を見物し、高利貸しの老婆宅の13段の階段を数え…ドストエフスキーの代表作にまつわる場所は、今もペテルブルクに多く残る。ペテルブルク名物の白夜も、ドストエフスキーの『白夜』で描写されている。
3.キャバレー「野良犬」
ロシア文学の銀の時代を彩る伝説のスポット。革命前、このキャバレーにはアンナ・アフマートワ、オシップ・マンデリシュターム、レフ・グミリョフ、ウラジーミル・マヤコフスキーら、大物詩人たちが集った。ここは今もボヘミアンな雰囲気漂うキャバレーシアターであり、詩の朗読も行われている。
4.ムルジ館
ニコライ・レスコフはリテイヌイ大通りのこの集合住宅で暮らし、代表作『左利き』を執筆した。後に象徴主義の作家ジナイーダ・ギッピウスとドミトリー・メレシコフスキーがここで部屋を借り、文学や美術の大物たちがこぞって2人を訪れた。革命後は「詩人の家」となった。また、この住宅の小さな一室にはかつてヨシフ・ブロツキーが住んでいた。現在、そこはブロツキーの家博物館「一部屋半」として公開されている。
5.フォンタンヌイ館
フォンタンカ川沿いの河岸通りに位置するこの宮殿は、最初の所有者であったシェレメチェフ伯爵の頃から上流社会のサロンであり、文学者や音楽家、画家や学者たちの社交場だった。しかし何より、この一画にかつてアンア・アフマートワが暮らしていたことで有名だ。彼女が入居していた部屋は現在、往時の様子のまま保存された博物館となっており、アフマートワによる詩の朗読の音声も聴ける。
6.コワリョーフ少佐の鼻
ペテルブルクに文学作品の主人公の記念像は多いが、登場人物の身体の部位となると、これしか無い。もちろん、ペテルブルクを舞台にしたニコライ・ゴーゴリの幻想的な小説群が、元ネタである。その代表的な作品の1つ『鼻』では、コワリョーフ少佐の鼻がある日分離して勝手に生活を始める。その鼻の記念像である。
7.アレクサンドル・ブロークの家博物館
アレクサンドル・ブロークは銀の時代を代表する詩人の1人である。その晩年を、プリャシュカ川沿いの街はずれにある質素なアパートで過ごした。まさにこのアパートが、多くの文学者や時代の寵児たちが惹きつけられる場所となったのである。セルゲイ・エセーニンは敬愛するブロークをこの家に訪ね、やがてロシア詩の世界においてブロークと並ぶほどの重要な作家となる。
8.モイカのプーシキンの家
国民的詩人プーシキンは深く尊敬されており、彼が暮らした、あるいは滞在した場所の殆どが博物館となっている。中でもこのモイカの家は、プーシキンにまつわる最も重要な記念館の1つとされている。皇帝の宮殿からほど近いこの場所で、プーシキンは最後の数年(それもかなり幸福な時期)を過ごした。決闘で致命傷を負った彼が運び込まれたのも、この場所である。