
サンクトペテルブルク・国立ロシア美術館の全館への完全ガイド

サンクトペテルブルクにあるこの美術館は、世界最大級のロシア絵画コレクションを誇る。主な傑作を見逃さず、また、美術館内の宮殿や建物で迷子にならないために、この完全ガイドを活用しよう。
重要情報
- ロシア美術館は、火曜日は休館だ。
- ウェブサイト「バーチャル・ロシア美術館」では、美術館の建物をデジタルツアーで回ったり、絵画、デッサン、版画、彫刻等々のデジタル化されたコレクションを一望したりできる。
- 美術館のウェブサイトでは、すべての宮殿と建物の常設展に入場できる共通入場券を購入できる。ロシア連邦およびユーラシア経済連合加盟国(アルメニア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギスタン)の国民は、1500ルーブル(~2565円)、ロシア連邦以外の国民は2100ルーブル(~3600円)だ。
ミハイロフスキー宮殿

- 見どころ:19世紀前半にカルロ・ロッシの設計で建てられたミハイル・パーヴロヴィチ大公の宮殿は、博物館の本館であり、主要な展示が行われている。ここでは、古代のイコンやカルル・ブリュローフの名高い大作『ポンペイ最後の日』、イリヤ・レーピンの『ヴォルガの船曳き』、イワン・アイヴァゾフスキーの『第九の波』、その他ロシア美術界のスターによる数多くの絵画を鑑賞できる。さらに、宮殿には帝政時代の内装や装飾がそのまま保存されている。

- アクセス:地下鉄駅「ネフスキー大通り」または「ゴスティーヌイ・ドヴォール」から、徒歩5~10分。
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- チケットの料金:ロシア連邦およびユーラシア経済連合加盟国(アルメニア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギスタン)の国民は、450ルーブル(~770円)。ロシア国民以外の大人は、平日1000ルーブル(~1710円)。休日は、それぞれ550ルーブル(~940円)と1200ルーブル(~2050円)になる。チケットは予めサイトで購入できる。
- 本館では、ロシア語、英語、フランス語、イタリア語、スペイン語、中国語、韓国語の音声ガイドが利用できる。ロシア語または英語でのエクスカーションも申し込める。
ベノワ館

- 見どころ:常設展は、19世紀後半~20世紀初頭のロシア美術に特化している。ボリス・クストーディエフ、ニコライ・レーリヒ、コンスタンチン・コローヴィン、ワレンチン・セローフなどの絵画が保管・展示されている。また、複数のホールで、ロシアのモダニズムとアヴァンギャルド(カジミール・マレーヴィチ、ワシリー・カンディンスキーからダヴィド・ブルリュークまで)、ソビエト美術、現代美術を紹介している。さらに、ベノワ館では、大規模な企画展が開催される。
- アクセス:地下鉄駅「ネフスキー大通り」または「ゴスティーヌイ・ドヴォール」から徒歩10~15分。
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- チケットの料金:展覧会ごとにチケットが個別に販売されており、500~1000ルーブル
(約855~1710円)。美術館のウェブサイトでも購入できる。 - ベノワ館では、ロシア語、英語、フランス語、イタリア語、スペイン語、中国語、韓国語の音声ガイドが用意されている。ロシア語または英語でのエクスカーションを申し込むこともできる。
ストロガノフ宮殿

- 見どころ:優美なピンク色の宮殿は、18世紀に、建築家バルトロメオ・ラストレッリによって、バロック様式で、ストロガノフ伯爵家のために建てられた。ロシア美術館では、宮殿内で特別展が開催されている。さらに、19世紀のロシアの装飾美術と美術工芸――たとえば、皇帝のディナーセット――をテーマとする常設展も開かれている。
- アクセス:地下鉄駅「ネフスキー大通り」または「アドミラルテイスカヤ」から徒歩5分。
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- チケットの料金:ウェブサイトで価格の改定をお確かめください。
大理石宮殿

- 見どころ:ネヴァ河岸のこの宮殿は、エカテリーナ2世の命により、建築家アントニオ・リナルディによって建設された。古典様式のこの建物は、女帝の寵臣、グリゴリー・オルロフ伯爵のために建てられた。1992年からは、ロシア美術館の分館となっている。
- 現在、展示されているのは、サンクトペテルブルクの収集家であるルジェフスキー兄弟の絵画、グラフィック、彫刻、装飾美術および美術工芸のコレクションと、さらに、20世紀後半の世界の芸術作品だ。そのなかには、パブロ・ピカソ、サイ・トゥオンブリー、アンディ・ウォーホル、ジェフ・クーンズの作品も含まれる。大規模な企画展もここで開催される。
- アクセス:地下鉄駅「ネフスキー大通り」から徒歩15~20分。
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- チケットの料金:ウェブサイトで価格の改定をお確かめください。
ミハイロフスキー城

- 見どころ:ミハイロフスキー宮殿(博物館の本館)とミハイロフスキー城を混同しないようにしよう。この城は、18世紀末にパーヴェル1世のために建てられた歴史的建造物として、何よりも興味深い。被害妄想に悩まされていた皇帝は、城の周囲に堀をめぐらし、要塞化するよう命じた。彼は、この“隠れ家”でわずか40日間暮らした後、自室で殺害された。城の内部、18~19世紀の彫刻や絵画のコレクションが、この博物館の主な見どころだ。
- アクセス:地下鉄駅「ゴスティーヌイ・ドヴォール」から徒歩10~15分。
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- チケットの料金:ロシア連邦およびユーラシア経済連合加盟国(アルメニア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギスタン)の国民は、700ルーブル(~1200円)。ロシア国民以外の大人は、1200ルーブル(~2050円)。チケットは予めサイトで購入できる。
- ミハイロフスキー城には、ロシア語と英語の音声ガイドがある。また、ロシア語または英語のエクスカーションを申し込むことができる。
ピヨートル大帝の小屋

- 見どころ:ピョートル1世(大帝)の木造の小屋は、サンクトペテルブルク最古の建物であり、新帝都における、皇帝の最初の「宮殿」だ。その規模と装飾は、驚くほど控えめである。小屋には、ピョートル1世の私物が展示されている。赤い羅紗で作られた軍服、東方で作られた杖、肘掛け椅子、その他の往時を記念する展示品だ。
- アクセス:地下鉄駅「ゴーリコフスカヤ」から徒歩10~15分。
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- チケットの料金:ロシア連邦およびユーラシア経済連合加盟国(アルメニア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギスタン)の国民は、500ルーブル(~855円)。ロシア国民以外の大人は、800ルーブル(~1370円)。チケットはサイトで購入できる。