サンクトペテルブルクでモスクワ・クレムリンの「一部」が見られる場所

Legion Media
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ネヴァ河畔の街、サンクトペテルブルクにやって来たが、ふと、首都モスクワが懐かしくなった?そんなときは、慌てて切符を買うのではなく、モスクワ駅近くのミルゴロツカヤ通りへ行ってみよう。そこで、見覚えのあるシルエットが、すぐに目に飛び込んでくるだろう。

 その輪郭は、すぐにピンとくるだろう。同様の赤レンガ、銃眼が鋸の歯のように並ぶ、いわゆる「燕の尻尾」、そして整った形の塔。まるでクレムリンの城壁がここに移設されたかのようだ。

PlatonVS (CC BY-SA 4.0)
PlatonVS (CC BY-SA 4.0)

 実際には、この「クレムリンの一部」は、今から1世紀少し前に建てられたものだ。1911~1913年に、ロマノフ王朝300周年を記念して、皇帝一家がとくに崇敬していたイコン「フョードロフスカヤの生神女(聖母)」の名を冠した教会が、ここに建てられた。この教会は、ロマノフ王朝が成立した17世紀ロシアの建築様式に基づき、ステパン・クリチンスキーの設計で建立されている。 

13243546A (CC BY-SA 3.0)
13243546A (CC BY-SA 3.0)

 聖堂には、赤レンガの城壁も加えられた。駅に到着した人々に、両首都(モスクワとサンクトペテルブルク)の連続性と、ロマノフ朝の治下におけるロシアの統一を想起させるためだ。同時に、新しい教会と、美観に欠ける建築群を隔てる役割も担っていた。

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