イングーシのチーズ&シナモンのバン「ベッタ・マジャルグ」の作り方(レシピ)

Yulia Mulino
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 コーカサス地方の料理は実に多様で、チーズ、肉、じゃがいも、ハーブが入った大きくて栄養たっぷりのパイはとてもよく知られている。しかし、この「ベッタ・マジャルグ」は人気のある地元のペイストリーの違ったタイプのものである。このバンはスモールサイズであるが、同じようにとてもおいしい。

 ベッタ・マジャルグは、古代から、北コーカサスのイングーシ人たちの食卓に上る伝統的な料理で、とりわけ、祝日そして冬に作られてきたものである。

 この変わった響きの名前にはどのようなストーリーが隠されているのだろうか?ベッタというのはイングーシ語で「月」を意味しており、ベッタ・マジャルグは「月を薄く切ったもの」という意味を持つ。実際、このペイストリーは、真ん中のフィリングによって、表面がデコボコした満月のような形をしている。

 ベッタ・マジャルグは小麦粉ベースのバンである。丸い形で、真ん中にフィリングが見える形で入っていて、それはカッテージチーズの入った菓子パン「ヴァトルーシカ」に似ている。しかし、ベッタ・マジャルグのフィリングには、この地域全体でもかなり変わったものが使われている。それは、シナモンとハードチーズを混ぜたものだ。フィリングの詰め方には異なる方法がある。シナモンを生地に振りかけてからチーズをトッピングする方法、そしてその逆の方法である。ときに、シナモンの代わりにケシの実が使われることもある。

 ベッタ・マジャルグはイースト生地で作られる。しかし普通のイースト生地よりも密度が高いため、柔らかさが保たれ、延ばして、丸いバンにカットすることができる。

  塩気のあるチーズとスパイスという、甘いお菓子でよく使われる組み合わせは、独特の味を作り出す。甘い料理とも、チーズプレートとも合わせることができ、また単独のアペタイザーにもなる。

 イングーシ共和国で、ベッタ・マジャルグはタイムやセイヨウオトギリソウといったハーブティーと一緒に供されることが多い。このハーブはどちらもこの地域で生育しているものである。しかし、このバンはもちろん、普通の紅茶やコーヒーと食べてもおいしい。

 このバンは短時間で焼ける。お茶を入れている間に作れるほどである。

材料(910個分): 

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生地:

  • 小麦粉 200g
  • 牛乳 100ml
  • 溶かしたバター 20g
  • ドライイースト 小さじ1(3.5g)
  • 砂糖 大さじ1
  • 塩 小さじ1/2 

フィリング: 

  • ハードチーズ 100〜150g
  • シナモン 小さじ1
  • 卵黄(つや出し) 1個分 

作り方:

1. ドライイーストと砂糖を温かい牛乳に溶かす。

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2. 溶かしたバターを加える。

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3. 小麦粉と塩を加える。

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4. 固くて、濃密な生地をこねる。

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5. 温かい場所に1時間ほど置いて、発酵させる。

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6. 生地をのばし、丸く抜いていく。

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7. 丸く抜いた生地をふきんで覆い、さらに10〜15分、発酵させる。

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8. 卵黄におろしたチーズを混ぜる。これによりフィリングをより隙間なく入れることができる。

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9. フィリングを入れやすいよう、それぞれの生地の中央に、小さなガラスのコップを使ってくぼみを作る。

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10. 生地の真ん中のくぼみにシナモンをふり入れる。

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11. チーズを置き、卵黄を塗る。

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12. 180度に予熱したオーブンで15分ほど焼く。

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13. 熱々のままお茶と一緒にいただく。

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