
中国人学生が「ロシア語とロシア文学にのめり込んだ」いきさつ

なぜロシア語を選んだか

ウェンフェン・カンさんは、親戚たちの勧めにより、2016年に中国の大学で、ロシア語を学び始めた。ロシア語は、彼自身が勉学に期待していたものと一致していた。つまり、この言語は、彼にとっては一風変わった、エキゾチックな言葉に思われた。そして、彼は、珍奇なものなら何でも好きだった。
2020年、この若者は、天津外国語大学の修士課程に入学し、そこでさらに3年間ロシア語とロシア文学を学んだ。そして現在、彼はすでに、モスクワのプーシキン記念ロシア語大学博士課程の2年生だ。ウェンフェンさんは、自分でロシア語を教えられるよう、ロシア語を学んでいるという。
ロシア語で一番難しいこと
多くの外国人と同様、中国人学生にとって、ロシア語の最大の難物は、格と変化だった。
「中国語には、このような文法のカテゴリーがないので、初心者がこの難関をクリアするのは至難です。最初は、すべて丸暗記しなければなりませんでした。しかし、徐々に文法規則をマスターして、楽になっていきました」。ウェンフェンさんはこう語る。
ロシア語の発音も彼にとっては厄介だった。とくに「P」(R)の音は、中国語には類似の音が存在しないため難しかった。
モスクワにおける中国人のロシア研究者

ウェンフェンさんは、中国・ロシア国際学生交換プログラムにより、2023年に、モスクワのプーシキン記念ロシア語大学(通称はプーシキン大学)に入学した。中国の友達や先生たちは、ここを志望するよう勧めた。
「彼らは、こう言いました。この大学には、オープンな国際的な雰囲気があり、学生も教員も素晴らしい、と。中国で私にロシア語を教えてくれた先生の多くは、90年代にプーシキン大学で学んでいます」。ウェンフェンさんはこう述べる。
今では、彼には多くのロシア人の友人がおり、言葉を磨くため、頻繁に彼らと交流している。
「基本的に、彼らは私と同年配です。私たちはみんな大学で知り合って、付き合うようになったのです。また、インターネットを通じて、ロシア人の友達とも何人か知り合いました。彼らは、中国語に興味があります」。ウェンフェンさんは説明する。
エキゾチック好きからロシア愛へ

「ロシアについて学ぶにつれ、ロシアの芸術、文学、そしてロシアの国民性にますます魅了されていきました」。ウェンフェンさんは振り返る。
ほぼ2年の間に、青年は、サンクトペテルブルク、ヤロスラヴリ、イワノヴォ、プリョス、ヴォルゴグラードなど、ロシアの多くの都市を訪れ、「本当のロシア」を知るようになった。
「私は、ロシアの建築がとても好きです。ロシアの民芸品も大好きです」

ロシア文学が、ウェンフェンさんの研究の中心となった。この中国人大学院生は、ロシアの古典を学ぶだけでなく、エヴゲニー・ヴォドラスキン、アレクセイ・ヴァルラモフ、グゼリ・ヤヒナなど現代ロシア作家の小説も知っている。
ウェンフェンさんは今、エヴゲニー・ヴォドラスキンの小説『チャギン』の中国語への翻訳に取り組んでいる。
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さらに、プーシキン記念ロシア語大学では、ロシア語を学びたい人や、レベルアップを望む教員向けに、追加のプログラムを提供している。たとえば、同大学では、外国人を対象としたサマースクールを毎年開催している。詳細は、リンク先をご覧ください。
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