「半ば罪を犯しつつ」:この慣用句はどんな意味?

誰かが仕事を、どうにかこうにか、やっとのことで終えたとしよう。すると、その人について、必要な結果を「半ば罪を犯しつつ」“с грехом пополам” 出した、と言われることがある。これは「罪」とどんな関係があるのだろうか?
かつて「罪」とは、宗教上の戒律を破ることだけではなく、単なる間違いも意味した。たとえば、ロシアの詩人アレクサンドル・プーシキンは、その韻文小説『エフゲニー・オネーギン』のなかで、主人公を次のように描いている。「罪を犯さないわけではないが、『アエネーイス』の数行を暗記している」。つまり、彼は、間違いはするものの、ラテン語の韻文の断片を暗唱していたわけだ。
しかし時とともに、この表現は、仕事で不注意だったり間違いをしたり、あるいは多大な努力を払ってやっと終了したりすることを強調するのに使われるようになった。
「フォマは、郡の学校に5年間通って、どうにかこうにか4学年を終えた」。作家マクシム・ゴーリキーは、長編小説『フォマ・ゴルデエフ』の主人公を、こう描いている。