
ロシア語が現在の姿を整えたのは19世紀前半

その言語的基礎を築いたのが、詩人アレクサンドル・プーシキンである。
「ロシア文学の黄金時代」と称される19世紀。この時代には、トルストイやドストエフスキーをはじめとする世界的文豪たちが次々と登場し、後世に多大な影響を与える古典作品が数多く生まれた。
その中にあって、プーシキンは文学のみならず、言語そのものに革新をもたらした存在として特筆に値する。彼は詩や散文を通じて、高雅な文語と庶民的な口語を見事に融合させ、多くの人々に親しまれる新たな文体を切り開いた。
こうした功績から、プーシキンは「現代ロシア語の父」として評価されている。