GW2RU
GW2RU

「歯が立たない」:この慣用句はどんな意味?

ロシア・ナビ (Photo: nicoletaionescu/Getty Images)
ちょっと分かりにくい慣用句のシリーズ。今回は、「歯が立たない」。

 誰かが解決不可能な問題に悪戦苦闘したあげく、ついに解決できないと認めたとき、人は同情することしかできない。あの人は、この問題には「歯が立たない」と(не по зубам〈ne po zubam〉)。 

 ロシア文学では、この表現は、様々な意味で使われている。例えば、文字通りの意味で、食べ物が固くて食べられない、という場合だ。

 作家ミハイル・サルトゥイコフ=シチェドリン(1826~1889年)の最後の長編小説『僻地の旧習』には、作者の遠い親戚と、その毎日の食事とが描かれている。

 「彼らは、食事中ずっと皿を見つめたまま、黙然と座っていた。そして、スープとケーキだけを口にした。残りの料理は歯が立たない(彼らには固くて食べられなかったからだ)」

 しかし、このフレーズは、比喩的な意味で使われることが多い。ある事柄が非常に複雑で、すぐ実行したり理解したりすることが難しい場合だ。