英国の写真家が写したロシア帝国の人物
スコットランドの写真家ウィリアム・キャリックは19世紀半ばにロシアに住んでいた異なる職業、異なる民族の人々をフィルムに収めた。
ウィリアム・キャリックの祖父と父はロシアと緊密なつながりがあった。2人は木材の貿易に携わっていたことからサンクトペテルブルクをしょっちゅう訪れていたのである。ウィリアムはエディンバラで生まれたが、一家はウィリアムが生まれた直後にロシアに移住したため、一時的にローマや故郷のエディンバラに滞在しつつも、生涯、ロシアに住んだ。
キャリックは芸術アカデミーで建築と絵画を学んだが、スコットランドで写真の技術と出会い、写真家として目覚めた。1859年、キャリックはサンクトペテルブルクに最初の写真スタジオを構え、サンクトペテルブルクの風景を撮影していたが、彼の仕事として特に有名なのが民族調査である。彼はこの調査でロシア帝国に暮らす様々な民族の肖像画を記録したのである。
キャリックによる生き生きとした「ロシア人のタイプ」シリーズの素晴らしい写真をご覧いただこう。
老人
行商人
給士
郵便屋
御者
サモワールのそばの農民
煉瓦職人
カフカスのコサック
荷車のそばの男女
古儀式派の女性(「ロシアの宗教」シリーズより)
木こり
役人
小間物屋
バラライカ弾き
食事をする農民