ニジニ・ノヴゴロド地下鉄を知る5項目
この百万都市の地下鉄は、歴史的にはモスクワとペテルブルクに次いで3番目に開業し、総延長も第3位である。他にどのような特徴があるだろうか?
1.旧市街の駅は1つだけ
地下鉄の開業は1985年。2路線で15駅、総延長は20km強。特徴的なのは、市の中心部には駅が1つしか無いということ。その唯一の「ゴーリコフスカヤ駅」の開業は2012年。
ニジニ・ノヴゴロド地下鉄は主に、長距離鉄道のステーション、工場地帯、ベッドタウンを結んでいる。
2.左側通行と右側通行の路線がある
もう1つの特徴は、M1線が通常通りの右側通行なのに対し、M2線は左側通行ということだ。両者をつなぐのは「モスコフスカヤ」駅で、同じホームで乗り換える、対面乗り換え方式である。
左側通行となっている理由は、M2線には、先頭車両を付け替えるための機回し線が無いためである。したがって、M2線の列車は方向転換せず、逆方向に進む。
3.ロシアで初めて、全ての改札機をカード決済対応に
銀行のカードで支払いができる改札機が初めて設置されたのはモスクワであるが、全ての駅に同様の改札機が導入されたのは、ニジニ・ノヴゴロド地下鉄が最初だ。2017年のことである。
支払い方法は、銀行のカード、スマートフォン、スマートブレスレッド、市の定期券から選べる。
4.オカ川の両岸を結ぶ
オカ川の上を通る鉄道橋は、長さ1.2km強。オカ川で隔てられたヴェルフニャヤ地域(旧市街)とザレチナヤ地域を結ぶ橋で、「ゴーリコフスカヤ」駅と「モスコフスカヤ」駅の間に、2012年に開通した。従来、地下鉄はザレチナヤ地域にしか無かったが、この区間の開通により、乗客数は数倍になった。長距離鉄道駅から、市内中心部まで地下鉄が直通運転できるようになったのが大きい。
5.地上駅は1つだけ
ニジニ・ノヴゴロド地下鉄の深度は浅めである(もっとも深い「ゴーリコフスカヤ」駅でも深さ20メートル)。しかし、地上にある駅は唯一「ブレヴェスニク」駅だけ。廃止されたかつての鉄道駅跡に建設され、旧駅と同じく、ニジニ・ノヴゴロド機械製造工場に出入口が面している。