ロシアで最も深い地下鉄駅、「アドミラルチェイスカヤ」

　サンクトペテルブルクは沼沢に建つ都市である。地表近くの土壌はやわらかく、トンネルを造るには適していない。そのため、地下鉄駅は地下深くに建設された。こうしてペテルブルク地下鉄は、世界で最も平均深度が深い地下鉄となった。

　２０１１年に開業した「アドミラルチェイスカヤ」駅は、深さ８６㍍に位置し、世界で最も深い駅の１つである。

　プラットフォームまで下りるには、まず、長さ１３７，４㍍の、世界最長のエスカレーターを使う。しかし、これだけではまだ到着しない。さらにもう１機のエスカレーターに乗り換えて、ようやく乗り場に着く。

　駅のデザインは、海がテーマ。ホールの壁面はモザイク画『海軍省の成り立ち』で飾られ、入口は船を描いた壁画が彩る。その他、錨の装飾や、床面には風配図が描かれ、駅名表示の横には船の飾りがある。この船の飾りは、海軍省の尖塔に取り付けられているものと、同じデザインだ。