ロシア人はいつアラスカを発見したか?
「我々は、そこが島ではなく、広大な陸地であるのを見た。黄色い砂浜、海岸沿いのユルタ(円錐形の組み立て式家屋)、そして、その地を歩む多くの人々を見た…」。1732年の探検に参加したイリヤ・スクリヒンは、こう回想している。
8月21日、ロシア船「大天使聖ガブリエル(神使ガウリイル)」は、未知の海岸に到達した。未来のプリンスオブウェールズ岬付近に接近したが、悪天候のため、乗組員は、海岸に上陸することはできなかった。
船が岬を回ると、地元民が小舟で、ロシア船までやって来た。通訳を通して、地元民はロシア人に、森や川、野生の鹿などの動物といった、彼らの土地の豊かな恵みについて語った。
しかし、探検家たちは、「大いなる大地」を綿密に調査することはできなかった。船の状態が悪かったため、急いでカムチャッカに戻らざるを得なかったからだ。
この遠征は、ロシアによるアラスカとアリューシャン列島の植民地化と、いわゆる「ロシア領アメリカ」の創設に向けた第一歩となった。