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ソ連ではダニを恐れなかった?

イゴール・ザレムボ / TASS
ダニが深刻な病気を媒介することは、誰でも知っている。しかし、人々は平気で森へ出かけていた。

 専門家によると、危険なのはダニに咬まれること自体ではなく、ダニが媒介する病気である。1937年に確認されたダニ媒介脳炎は長らく、シベリアの局地的な問題と考えられており、ロシア中部地帯に暮らす人々にとっては、縁遠い話だった。ライム病に至っては、確認されたのは1985年になってからだ。

 ソ連のダニ対策は過激だった。ダニが活動を始める前に、森や草原にDDT(ジクロロジフェニルトリクロロエタン)粉剤の「dust」を空から散布するのである。散布された地域では、この物質が有効な間は、ダニは死滅した。

 しかし後年、毒性が植物に蓄積され、食物連鎖によって動物、そして人間にも害が及ぶことが判明した。1970年代にDDTはまず制限され、やがてロシアを含む多くの国々で使用が禁止された。ダニの個体数は次第に回復し、新たな分布域に広がっていった。

 「Dust」に替えてより弱い物質が用いられるようになったが、その効果の持続期間は短い。現在は都市部の公園や休憩スペースのみに散布されており、森林はダニの天下となっている。知られている限り、ダニの約20%は同時に複数の感染症を媒介している。したがって、原生林に入るにあたっては、予防接種が推奨される。また、ダニを発見した際は、検査のために提出するのが望ましい。