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「タレントビザ」でロシアに移住するには

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有望な研究者、スポーツ選手、芸術家、起業家は今、必要な書類を簡略化された手続きで作成・提出することで、ロシアで暮らし、働けるようになった。

 2026年4月15日、ロシアでは、優秀な専門人材の受け入れを目的とした大統領令第883号が発効した。この制度は「タレントビザ」とも呼ばれている。スポーツ、科学、文化、ビジネスの分野で実績を持つ外国人が、簡易な手続きでロシアに移住できるようになっているからだ。

 このプログラムには公式サイト「ロシアで暮らす時」がある。ロシア語、英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語に対応している。

人材受け入れプログラムが提供するもの

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 この制度でロシアに移住したい外国人は、割当枠の対象外として、しかもロシア語試験なしで「一時滞在許可」を取得できる。あるいは、一時滞在許可の段階を飛ばして、すぐに「永住権」を申請することもできる。

 違いは、一時滞在許可が特定の地域でしか有効でないことに対し、永住権ではやはり試験を受けなければならない点だ。また、一時滞在許可の有効期間は最長でも3年だが、永住権には期限がない。

 そして、永住権を取得した後は、ロシア国籍の取得申請もできる。

 外国人はどの国の出身でもよく、年齢制限もない。移住者本人だけでなく、その家族にも移民上の優遇措置が与えられる。

このプログラムを利用できるのは誰か

 大統領令第883号では、主に3つの基準が定められている。

1.主要分野のいずれかで実績があること。これには、科学技術開発、製造業、スポーツ、クリエイティブ産業、文化・人文分野が含まれる。また、学業上の優れた実績も対象になりうる。

2.応募者がロシアの経済、社会、安全保障の発展に重要な貢献をしたこと。

3.ロシアでとくに需要の高い職業または技能を持っていること。

自分の資格や実績を証明するために、応募者は次のような条件を満たしている必要がある。

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1.発明や工業意匠の特許を持っていること、科学技術分野における優れた業績に対するロシアまたは外国の賞を受賞していること、学位を持っていること、あるいはロシアの国立研究機関で働いていること。

2.年間収入が少なくとも1000万ルーブル(約2120円)の中小企業の創業者であること。対象となるのは、ホテル業、飲食業、製造業、情報通信分野、科学技術分野などだ。

3.オリンピック、世界選手権、ヨーロッパ選手権、またはその他のプロスポーツ大会で入賞していること。

4.文化、文学、芸術分野でロシアまたは外国の賞を受賞していること。あるいは、文化領域のロシア国立機関で働いていること。

5.衣服制作、デザイン、建築、ガストロノミー、IT、広報、その他のクリエイティブ産業の分野で、高度な専門性を持っていること。

6.世界大学学術ランキング(Academic Ranking of World Universities)、世界大学ランキング(QS World University Rankings)、THE世界大学ランキング(Times Higher Education World University Rankings)のいずれかでTOP20に入る大学で、高等教育課程を修了していること。あるいは、その大学が上位100位以内に入っていて、平均成績が満点の75%以上であること。

7.運輸、観光、建設、通信、エネルギーなど、特定の産業分野で少なくとも5年の職務経験があること。詳細は大統領令に記されている。

このプログラムに参加するには

 まず、公式サイトを通じて申請書を送る必要がある。申請では、自分の実績について詳しく説明し、関連書類を添付しなければならない。

 その後、プログラムの担当者から連絡があり、オンライン面接が行われる。公式サイトによれば、自分の成果について口頭で説明する必要がある。

 申請は最長125日以内に審査され、承認された場合には、書類がロシア内務省に送られる。内務省は、その人がこの人材受け入れ制度の対象者であることを証明する書類を発行する。

 ビザが必要な場合は、その書類を持ってロシア大使館に行き、1年間有効の数次商用ビザを取得する。

 ビザが不要で、すでにロシアにいる場合は、その場で一時滞在許可または永住権のための書類一式を提出することになる。

 それぞれの移住者には専属の担当マネージャーがつき、ビザ取得から住居探しまで、あらゆる段階で支援してくれる。