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ソ連の火星探査機「マルス3号」人類初の火星軟着陸から54年

B. ボリソフ / Sputnik
1971年12月2日、ソ連の火星探査機「マルス3号」が世界で初めて火星への軟着陸に成功した。この歴史的偉業から、今年で54年になる。

 マルス3号は6カ月以上の飛行を経て火星軌道へ到達し、降下モジュールを分離。 着陸地点は、プトレマイオス・クレーターの平坦な地表だった。

 当時の火星は全球規模の猛烈な砂嵐に覆われ、風速は秒速140㍍に達していたとされる。 極めて厳しい環境下での着陸成功は、当時のソ連の宇宙技術の高さを象徴している。

 着陸から約1分半後、マルス3号は地球に向けて映像の送信を開始した。 届いたのは、白黒の不規則な縞模様が並ぶ、判読不能な画像のみ。 送信はわずか14.5秒で途絶え、通信が再開されることはなかった。

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 降下モジュールには、土壌密度測定用の小型ローバー「プロプM」が搭載されていたが、 通信断絶により、運用されることはなかった。

 一方、母船のオービターはその後も火星周回を続け、大気組成や磁場、プラズマ環境に関する貴重なデータを取得した。

 2012年、NASAの火星探査機マーズ・リコネッサンス・オービター(MRO)が撮影した高解像度画像を各国の研究者が分析。 その結果、火星表面に降下モジュール、パラシュート、逆噴射エンジン、空気抵抗スクリーンとみられる構造物が確認された。