
外国人がロシアで運転免許証を取得する方法は?

どんな場合にロシアの運転免許証が必要か
ロシアの運転免許証は、ロシア国籍、永住権、一時滞在許可のいずれかを持っている場合にのみ必要となる。免許証の交換には12か月かかる。これを怠ると、1万5千ルーブル(約180㌦)の罰金が科せられ、運転免許が剥奪される。
ベラルーシ国民にのみ例外が認められており、彼らは自分の免許証で運転することができる。
運転手としての仕事に応募する場合も、ロシアの免許証が必要だ(キルギスタン、カザフスタン、ベラルーシ、南オセチア、アブハジアの国民は例外)。
しかし、もしあなたが単なる観光客であったり、ビジネスでロシアに来たりしているのであれば、これは必要ない。ロシアは、30年以上にわたり、ウィーン交通条約の締結国となっている。これは、参加しているすべての国の国民が自分の運転免許証を使って運転できることを意味する。(ここに、締結国すべての国のリストがある)。
他の国の国民は、国際運転免許証で、または公証されたロシア語への翻訳を添付した、自身の運転免許証で、運転することができる。
外国の免許証をロシアの免許証に交換するには

ロシア連邦法「道路交通安全について」によれば、2025年4月1日より、試験に合格した場合のみ、自国の運転免許証をロシアのそれに交換できることになった。試験なしで交換できるのは、外交官とその家族だけだ。
それ以外のドライバーは、その知識を証明する必要がある。カテゴリー「A」(オートバイ)、「B」(軽自動車)、「M」(モペッド)の場合、ドライバーは、地元の交通警察署で学科試験のみを受ける。
学科試験は、交通ルールに関する20の設問からなり、20分以内に回答しなければならない。間違いは、2回までしか許されず、間違い1つにつき、さらに5つの設問が追加される。それらに対する間違いは許されない。試験はコンピューターで受ける。
設問は、約800あり、自分で予め全部勉強することができる(ロシア語の試験の例)。ちなみに、どの自動車学校でも申し込める。
カテゴリー「C」(トラック)と「D」(バス)の免許を取得したい場合は、ロシアの自動車教習所で完全なトレーニングを受け、学科だけでなく実技試験にも、他の受験者と同様に合格しなければならない。ただし、カザフスタン、キルギスタン、南オセチア、アブハジアの国民には、例外が認められる。彼らは学科だけを受験する。
免許証を交換すると、あなたの運転履歴も、ロシアの免許証に移される。あなたの国のIDも、そのまま残る。
運転免許証を交換するのに必要な書類は

- パスポートまたはその他の身分証明書。外国語で表記されている場合は、ロシア語に翻訳し、公証人による認証を受ける必要がある。
- 外国の運転免許証。これもロシア語に翻訳され、公証人による認証を受ける。免許証は有効でなければならない。期限切れの免許証は、ロシア国内で交換できないため、再度、自動車教習所に通う必要がある。
- ロシアに滞在する権利を証明する文書。永住権、一時滞在許可、出入国カードなど。
- 1年以内の健康診断書(フォームは003-В/У。ロシアのどのクリニックでも取得可能)。
- ロシアの自動車教習所の修了証明書(ある場合)。
- 申請書。政府のポータルサイト「Gosuslugi」を通じて出してもよいし、交通警察に出向いて提出してもよい。
なお、交通警察に、2千ルーブル(20㌦強)の国家手数料を支払う必要がある。
原則として、免許証の交換は即日行われるが、場合によっては、もう少し時間がかかることもある。
ロシアで初めて運転免許証を取得するには
これまでに免許を取得したことがない場合は、ロシアの自動車教習所で教習を受ける必要がある。研修はロシア語のみで行われ、約3か月続く。
教習は、2つの部分からなる。道路交通の規則を詳細にカバーする学科(口頭試問を含む)と、教官による実技がある。
カテゴリー「A」の教習費用は、約3万ルーブル(約350㌦)。カテゴリー「B」およびその他のカテゴリーは、約5万ルーブル(約600㌦)だ。
16歳から自動車教習所で学び始めることができ、同じ年齢でカテゴリー「M」とサブカテゴリー「A1」の試験を受けることができる。カテゴリー 「B」 と「C」の試験は、17歳から受けることができるが、免許を取得して道路で運転できるのは18歳からだ。カテゴリー 「D」の場合は21歳から。年齢の上限はない。
教習を修了した後、交通警察の試験に合格する必要がある。自動車教習所の修了証がなければ、試験を受けることはできない。
それ以外の書類は、運転免許証を交換するときと同じだ。すなわち、翻訳付きのパスポート、永住権、健康診断書、申請書、手数料(同じく2千ルーブル)。
交通警察での試験の申し込みは、自動車教習所を通じてもできるし、自分でポータルサイト「Gosuslugi」(国家サービス)を通して行ってもよい。自ら交通警察に出向いて申し込むことも可能。
再受験となった場合でも、受験料は一度だけ支払えばよい。例外は、試験を受ける場所を変更するときで、その場合は、再度支払いが必要になる。
ロシアでは、免許証の有効期間は10年間だ。その後、新しいものと交換しなければならない。