
「コペイカ」誕生から55年 ソ連で最も愛された大衆車

1970年9月9日、最初の量産型VAZ-2101「ジグリ」が生産ラインから送り出された
伝説の「コペイカ」として知られるこの車は、ヴォルガ自動車工場が手掛けた初のモデル。当初は単に「イェディニーチカ」(「一」)と呼ばれていたが、最小硬貨「コペイカ」になぞらえた愛称が定着した。
VAZ-2101はフィアット124をベースに改良されたモデルで、ソ連とイタリアは1966年に協定を締結。ソ連の技術者たちはシャーシやトランスミッションをはじめ、多くの改良を加えた。
その結果「コペイカ」はソ連で最も多く生産された車となり、1970年から1988年までに実に484万6900台が製造された。
1971年以降はフランス、イギリス、ベルギー、オランダ、スイス、日本など海外へも積極的に輸出。キューバではこの車をベースにしたリムジンが人気を集め、タクシーとして街を走った。
2004年にはモスクワに「コペイカ」の記念碑が建立。台座にはこんなメッセージがカプセルに刻まれている。
「私たちの車は、時に強い言葉と大きなハンマーを必要としました。
今の車はコンピューター診断だけで動いているのでしょう。
それでも、『コペイカ』がなければ、現代の自動車そのものは存在しなかったのです。」