ダゲスタンのおすすめスポット8選
1.デルベントのナルィン・カラ城砦
デルベントは、ロシア最古の都市とされる(ただしこの地位をめぐっては、クリミアのケルチも有力候補である)。また。ロシア最南端の都市でもある。デルベントが誇る史跡は何といっても、山上の6世紀ペルシアのナルィン・カラ城塞であろう。その2つの巨壁は海に面し、あらゆる方向から鉄壁の防御を誇る。そのため、この要塞は「カスピ海の門」とも呼ばれる。最上部からはカスピ海と山々の雄大な景観を一望できる。
2.マハチカラのジュマ・モスク
1997年、イスタンブールのかの有名なブルーモスクをモデルに建設された白亜のモスク。ロシアを含むヨーロッパで、2番目に大きいモスクである(1位は、チェチェン共和国のシャリにあるモスク)。収容人数は1万7千。2つのミナレットと、57(!)のキューポラからなる。一方、内装はイスタンブールの原型より控えめだ。
3.スラクスキー峡谷
この地域で最も有名な景勝地であり、ダゲスタンの象徴とも言うべき場所で、一年中観光客の姿が絶えない。スラク川の大峡谷はヨーロッパで最も深く、最深部は1920メートルにもなり、その長さは53キロメートルに及ぶ。
狭く曲がりくねった峡谷を、観光客を乗せたボートが猛スピードで駆けていく。峡谷の最も狭い場所には、人工の「ノヒオ洞窟」と吊り橋があり、バンジージャンプやジップラインが楽しめる。
4.サルィクム砂丘
山と海に挟まれたこの場所に、一体どのようにして砂丘が形成されたのか、学者は未だに結論を出せていない(ロマンチックな伝説もいくつかある)。サルィクムはバルハン砂丘としてはヨーロッパ最大であり、希少な動植物の宝庫だ。サソリや蛇も出現するが、恐れ知らずのブロガーたちはそれでも、砂丘の美しい夕焼けの写真を撮りにやってくる(とはいえ、国立公園なので、控えて頂きたい)。
ちなみに、サルィクム砂丘はソ連の伝説的大人気映画『砂漠の白い太陽』のロケ地でもある。
5.ゴーストヴィレッジ・ガムストリ
「ダゲスタンのマチュピチュ」とも、「幽霊村」とも呼ばれる。人々がこの地に住み始めたのは2千年以上昔だが、無人になって久しい。多くの住人は都市部に移動し、2015年には最後の住人が亡くなった。しかし、かつてガムストリは一度も征服されなかった難攻不落の山岳村落であり、大いに栄えていた。ガムストリとは、現地のアヴァール人(ダゲスタンで最も人口が多い民族)の言葉で「ハーンの塔のふもと」を意味する。現在は、廃墟となった石造り建築を散策し、なかなか雰囲気あるミステリアスな写真撮影も可能なスポットとなっている。
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6.ダゲスタンの旧都、フンザフ村
標高1700~2000メートルに位置する高地の集落。コーカサスでも最古級の集住地とされる。最も古い物では、2500年以上も昔の考古学遺物が発掘されている。12~19世紀にかけては、フンザフはアヴァール・ハーン国の首都だった。強大な国ではあったものの、後にロシア帝国に征服され、ダゲスタンにおけるロシアの前哨基地となって、19世紀にフンザフ要塞が築かれた。
フンザフ村付近で最も有名な景勝地は、トボットの滝。高さ約70メートルの絶景の滝である。
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7.放棄されたルン級エクラノプラン
デルベントからほど近いビーチに放棄されているのは、1983年に建造されたソ連のミサイルキャリアー、ルン級エクラノプランである。これをバックに写真撮影をすべく、はるばるやって来るブロガーが後を絶たない。エクラノプランは水面すれすれを飛行し、敵のレーダーに映らない。ロシア軍は開発を諦め、機体は処分されるはずだったが、地元有志が博物館資料としての保存を請願した。
8.銀細工の里、クバチ村
山間のクバチ村は線状細工の職人で名高く、生産されるアクセサリー、食器、そして何より刃物はロシア国内で抜群の知名度を誇る。クバチ村では伝統の技が代々受け継がれてきた。また、クバチの人々は個別の民族集団でもある。観光客は地元の貴金属職人や武器職人たちの家内工業の工房に案内される。お土産に銀細工の1つでも欲しくなること請け合いだ。