ユネスコ世界遺産に登録されているロシアの12の自然遺産(写真特集)

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ロシアにはユネスコ世界遺産に登録されている文化・自然遺産が34ある。そのうち多くはクレムリンやキジー・ポゴストなどの文化遺産だが、雄大な自然遺産も少なくない。

1.コミ原生林

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 ヨーロッパ最大の針葉樹林で、人の手が入っていない巨大な原生林である。面積は300万ヘクタールを超える。ウラル北部の希少な樹木、泥炭地、河川や湖は50年以上も研究が続けられている。1995年、他に先駆けてロシア初のユネスコ自然遺産として登録された。

2.バイカル湖

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 地球上で最古にして、最も深い湖。地球の淡水の実に20%がここに蓄えられている。固有の動植物と独自の生態系は、地球の進化の歴史を解明するための格好の研究素材となっている。

3.カムチャッカ火山群

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 火山がこれほど活発かつ密集している場所は、地球上にはここを置いて他に無いだろう。地下からは間欠泉も噴き出す。極東のこの雄大な大自然は1996年からユネスコの保護下に入り、2001年には登録対象の火山が追加された。

4.アルタイの「ゴールデン・マウンテン」

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 ゴールデン・マウンテンあるいは黄金山地という表現で、シベリアのアルタイ山脈でも際立って美しい3つの地域が1998年に世界遺産登録された。西シベリアの大河オビ川とイルティシュ川も、アルタイ山脈を源流とする。ユネスコの保護下にあるのはテレツコイェ湖の水保護領域を含むアルタイ自然保護区、カトゥン自然保護区、ウコク高原、ベルーハ山の自然公園。いずれも、アルタイ山脈きっての風光明媚な場所である。

5.西コーカサス山脈

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 ヨーロッパでも最大級の手付かずの山岳地帯。その高山地帯には野生動物のみが生息している。30万ヘクタールの広大な地域は、固有の動植物種の宝庫である。

6.クルシュー砂州

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 全長98kmにも及ぶ細長い砂州で、カリーニングラード州の名所である。バルト海沿岸の砂丘と曲がりくねった松が織りなす風景が世界遺産に登録された際には、「この景観は人間のおかげでこんにちまで保たれた」との一文が添えられた。

7.シホテ・アリニ山脈中央部

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 極東の自然保護区で、学術的にも極めて貴重な存在として知られる。この保護区の生物圏には、希少なアムールトラをはじめ独特の豊かな動植物相が残されている。

8.オヴス・ヌール盆地

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 オヴス・ヌールはトゥヴァ共和国(一部はモンゴル)にある浅い塩湖で、独自の生態系が保存されている。多数の渡り鳥が観測できるほか、山岳地帯にはユキヒョウ、アルガリ、シベリアアイベックスなどの珍しい生き物が生息している。

9.ウランゲル島保護区の自然生態系

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 セイウチの群棲地、シロクマの巣穴、コククジラの回遊地、50種類以上の鳥の営巣地。北極海に位置するこの保護区の生物多様性は眼をみはるばかりである。ここには固有種もいれば、大陸に生息する動植物の島嶼化した形態も見られる。

10.プトラナ台地

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 地球上で最も到達が困難な地点の1つで、未だその全域が調査・研究されているわけではない。プトラナ台地は手付かずの湖やタイガ、ツンドラ、極地砂漠を有することから、2010年に世界遺産に加えられた。

11.レナ川の石柱自然公園

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 高さ100メートルにも及ぶ崖が、サハ共和国のレナ川の岸辺に延々と続く。独特の気候、冬夏の大きな気温差、そして冬の極寒という環境がこの地に作り出した無二の風景であり、また数多くの古生代の化石も産出する。

12.ダウリアの景観群

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 ザバイカル地域ダウリア保護区のステップの生物圏は、重点的に管理されている動植物特別保護区である。独自の生態系は希少な鳥類の生息地であり、モウコガゼルの移動ルートにもなっている。