モスクワ総主教――正式な称号は「モスクワおよび全ロシア総主教」――は、どのように選出されるのだろうか?

ルスラン・クリボボク/Sputnik
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新教皇の選出では、信者は、システィーナ礼拝堂の煙突から立ち上る白い煙を心待ちにし、黒い煙を見ると、失望のため息をつく。それは、コンクラーヴェがまだ終わらないことを意味するからだ。この手続きは、何世紀も前から続いている。では、ロシア正教会の最高指導者は、どのように選ばれるのだろうか?

ゲオルギー・ペトルソフ/Sputnik
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 モスクワ総主教、正式には、「モスクワおよび全ロシア総主教」の選出に関する現行の手続きは、比較的最近、2013年に定められた。実のところ、1917年の革命以前は、聖シノド(聖務会院)が教会を統括しており、教会は皇帝に従属していた。

レフ・ノソフ/Sputnik
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 ソ連時代には、教会は公式には禁止されており、ロシア正教会の長は、さまざまな方法で選ばれていた。例えば、1917年のティーホン総主教は、くじ引きで選出。その後は、単純な投票で選ばれていた。

ルスラン・クリボボク/Sputnik
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 1990年代にこの制度は変更され、アレクシイ2世(1990~2008年)とキリル1世(2009年~)は、秘密投票で選ばれた。現在もこの制度が続いている。具体的には、300人以上の教区の長からなる高位聖職者会議が候補者を選び、そのなかから最多得票の3名を選出。

ルスラン・クリボボク/Sputnik
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 その後、モスクワ救世主ハリストス大聖堂の教会会議(ロシアおよび海外の、府主教、神学校およびアカデミーの学長、修道院、教区の長、そして一般信徒の700人からなる)において、秘密投票が行われ、新しい総主教が決定される。

ルスラン・クリボボク/Sputnik
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 選挙の数日後、ロシア正教会の最高指導者に着座する厳粛な儀式が行われる。教皇と同様に、モスクワ総主教も、終身選出される。

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