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正教徒になるには何が必要か:キリスト教の他宗派から改宗する場合
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正教徒になるには、いくつかのケース(そしてそれに応じた儀式)がある。洗礼、塗油式、懺悔などだ。ケースごとにどのような違いがあるのか、ご説明しよう。
第一に、正教に改宗したい者は皆、懺悔し、それまでの誤れる信仰を棄てなければならない。本人が「信経」を唱えた後、改宗を許す特別な祈祷がなされる。
次いで、塗油式が行われる。これは、まだそれを受けたことのない者に対して行われる(司祭が、聖別された油を塗る。油は、額、目、鼻孔、唇、耳、胸、手、足に塗られる)。さらに、新たに改宗した者は、「聖体機密」を受ける(キリストの体と血を象徴するパンと葡萄酒を与えられる)。
改宗に際して懺悔を経なければならないのは、ローマカトリック教会と非カルケドン教会の信徒だ(後者は、カルケドン公会議〈第四全地公会議〉の決議に賛同しなかった諸教会であり、アルメニア使徒教会、エチオピア正教会、コプト正教会などがある)。
つまり、使徒を継承し、洗礼と塗油式の機密(秘跡)を受け入れる宗派だ。すでに塗油式を受けていることが条件となる。彼らは以前の信仰の誤りを懺悔し、放棄しなければならない。その後、改宗を許す特別な祈祷がなされ、それが終わると、聖体機密を受けられるようになる。
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聖公会、およびルーテル派を含むプロテスタントは、塗油式を受けなければならない。以前の信仰の誤りを告白して放棄し、改宗を許す祈りがなされた後、塗油式が行われ、その後、聖体機密となる。
エホバの証人、モルモン教、セブンスデー・アドベンチスト教会、カリスマ(聖霊の賜物)運動派などは、洗礼を受けなければならない。プロテスタントにおいても、洗礼に際し浸礼を1回しか行わなかった者、また滴礼の際に聖水を身体に受けなかった者は、やはり洗礼を受ける。