
ロシアの「銀のネックレス」を満喫する5つの観光ルート

「黄金の環」という観光ルートをご存知の方は多いかもしれない。では、「銀のネックレス」は如何だろうか?この観光ルート2012年に始まったもので、ロシアの11の地域を結ぶものだ。「黄金の環」が古代ルーシの諸都市を巡る旅なら、「銀のネックレス」は中世のロシア北部とロシア北西部を巡る旅だ。この地域の観光をより容易にするべく、ロシアでは複数の「ナショナル観光ルート」が指定された。特におすすめのルートをご紹介しよう。
1.「北極が始まる街、アルハンゲリスク」

ルート:アルハンゲリスク→マルィエ・カレリ→セヴェロドヴィンスク
サンクトペテルブルク建都まで、北ドヴィナ川(セヴェルナヤ・ドヴィナ)の良港を持つアルハンゲリスクこそが、ロシアにとって通商と文化の「ヨーロッパへの窓」だった。
アルハンゲリスクは16世紀に築かれた都市。バレンツ海から白海にかけての、歴史的にはポモーリエと呼ばれた地域の中心都市だった。
中心街には、商人屋敷が今も遺されている。木造の巨大な風車や伝統的なポモールの住居は、アルハンゲリスク近郊のマルィエ・カレリ博物館で見学できる。
2.「ロシア北部の真珠」

ルート:ヴォログダ→キリーロフ→セミョンコヴォ→フェラポントヴォ
ロシア北部の旅は、かつて北部の中心都市だった古都ヴォログダから始まる。16世紀の建築である白壁のクレムリや、美しい木彫り窓枠の木造家屋、イコンやレース編みで名高い街だ。
セミョンコヴォ村の民俗学博物館では、ロシアの農村生活を詳しく知ることができる。
キリーロフとフェラポントヴォには、いずれもロシアで非常に有名な修道院がある。
3.「琥珀のモザイク」

ルート:カリーニングラード→クルシュー砂州→ヤンタルヌイ→スヴェトロゴルスク
実は、世界の琥珀の埋蔵量の殆どはカリーニングラード近郊の小さな町ヤンタルヌイにある。琥珀を採掘する様子を見学したり、バルト海の砂浜を散歩したりといったアクティビティが可能だ。
国立公園クルシュー砂州は、「踊る森」と「歌う砂」に囲まれた景勝地。
スヴェトロゴルスクは、大都市カリーニングラードからたった1時間の距離にある、静かな海辺のリゾート。
4.「ペテルブルク ピョートル 礎石から高層ビルまで」

ルート:サンクトペテルブルク→ロモノーソフ→ストレリナ→ペテルゴフ→クロンシュタット→シュリッセリブルク
ペテルブルクとその周辺をめぐるこのコースでは、ペテルブルクの宮殿など主だった名所旧跡の他、クロンシュタットの堡塁や、ラドガ湖岸の有名なオレシェク要塞などが見られる。
5.「バレンツ海から白海へ」

ルート:ムルマンスク→テリベルカ→キーロフスク→カンダラクシャ→ウンバ→モンチェゴルスク
コラ半島を約1週間かけて周る旅である。
極圏では世界最大の都市であるムルマンスクからスタート。
テリベルカ村は、バレンツ海沿岸のポモールの集落。近年まで荒廃が深刻であったが、現在では北方の自然鑑賞スポットとして人気の観光地となっている。
キーロフスクやモンチェゴルスクに向かう道中は、ヒビヌイ山脈や河川、滝の景観が楽しめる。北極圏を越える旅路となる。
「ロシアの銀のネックレス」のその他のナショナル観光ルートについては、国際観光フォーラム「LET'S TRAVEL!」(2025年6月10~15日、モスクワVDNKhで開催)でも紹介される。