159年前、画家ワシリー・カンディンスキーが生まれた。

ロシア・ナビ(写真:Fine Art Images/Heritage Images via Getty Image)
ロシア・ナビ(写真:Fine Art Images/Heritage Images via Getty Image)
1866年12月16日、抽象芸術の巨匠が誕生したこちらは、彼の創作に関する主な事実を振り返ってみよう。

1.画家になったのは30歳

Bettmann / Getty Images
Bettmann / Getty Images

 カンディンスキーは幼少期から絵画に関心を抱いていたが、両親は息子が安定した職業に就くことを望んだ。モスクワ大学法学部を卒業後、彼は印刷所の所長として働いていた。

2.クロード・モネの絵画を見て人生が変わった

個人コレクション 『積みわら』、クロード・モネ
個人コレクション

 1896年、モスクワでフランスの美術・工業博覧会が開催され、ロシアの人々は初めて印象派の作品を目にした。その観客の一人がワシリー・カンディンスキーであった。彼はモネの『積みわら』について、「心を揺さぶり、魅了し、忘れがたく記憶に刻まれる」と語っている。また、リヒャルト・ワーグナーのオペラ『ローエングリン』も彼に強い印象を与えた。

3.共感覚者であった

Fine Art Images/Heritage Images / Getty Images 『葬儀』
Fine Art Images/Heritage Images / Getty Images

 師であるフランツ・フォン・シュトゥックは、彼が過度に鮮やかな色彩を好むことを批判し、モノクロームで描くよう求めた。しかし、カンディンスキーは共感覚者であり、音と色は彼にとって不可分の存在であった。この特異な感覚によって、まるで音を奏でるかのような抽象絵画が生み出され、それらは独自の生命をもつかのように感じられる。

4.抽象主義の創始者となった

個人コレクション 『青騎士』
個人コレクション

 『青騎士』は1903年に描かれた作品である。青い外套をまとった騎士が草原を駆けるこの絵は、カンディンスキーにとって印象主義的表現の最終的な到達点であると同時に、新たなジャンルである抽象への最初の試みでもあった。

5.作品は世界有数の美術館に所蔵されている

ソロモン・R・グッゲンハイム美術館 《コンポジションVIII》
ソロモン・R・グッゲンハイム美術館

 代表作には、『コンポジションVIII』(1923年)、『黄・赤・青』(1925年)、『モスクワ』(1916年)、『コンポジションX』あ(1939年)などがある。