ピエール・カルダンとマイヤ・プリセツカヤ、45年にわたる友情
フランスのファッションデザイナー、ピエール・カルダンは、舞台で見たロシアのバレリーナ、マイヤ・プリセツカヤのカルメン役にすっかり魅了された。その情熱と迫力に心を奪われたのだ。
二人が初めて出会ったのは、1971年のアヴィニョン演劇祭だった。カルダン自身が後に語ったところによると、恥ずかしくて自分から声をかけることができず、当時のソ連文化相エカテリーナ・フルツェワが二人を引き合わせたという。
こうして始まった友情は45年にわたり続き、プリセツカヤは彼のミューズとなった。
カルダンは彼女のために、社交の場で着るドレスから舞台衣装まで、数え切れないほどの服をデザインした。バレエ『アンナ・カレーニナ』の衣装もその一つで、現在はモスクワのバフルーシン演劇博物館に収蔵されている。
1990年代末には、クレムリンで二人による共同ショー「ファッションとダンス」も開催された。
プリセツカヤは、親友についてこう語っている。
「私にとって、ファッションの世界はすべてピエール・カルダンに始まり、彼に終わります。センス、想像力、美しさの理想であり、その作品は決して時代遅れになりません」
伝説的なバレリーナは、彼の服に一度もお金を払ったことがなかった。彼女はそれらを「皇帝からの贈り物」と呼んでいたが、デザイナー自身も代金を受け取ろうとはしなかったという。
この偉大なバレリーナの生涯にまつわるエピソードは、モスクワのユダヤ博物館・寛容センターで開催中の展覧会「マイヤ・プリセツカヤの世紀」でも紹介されている。会期は2027年2月14日まで。