
カレリア地方を代表する料理10選
1.カリートキ

カレリア料理を代表する一品。オープンタイプの小型のピロシキの一種で、ライ麦の生地に、具材は小麦の粥もしくはジャガイモやベリー類など。カリートキという名称は「カリータ」という、小さな袋状の財布を意味した古ルーシ語からきている。
2.ルィブニク

魚を具材とするパイで、オープン型とクローズド型がある。カレリアに限らず、ロシア北方の広い範囲で作られる料理だ。
こちらもライ麦を使った生地で、生魚を包み込む。魚は捌くが、細かくカットはしない(大き目にカットする程度)。
3.ロヒケイット

カレリア独特のウハーには透明なスープ(カラケイット)もあれば、クリームベースのものもある。後者のロヒケイットは「サケのスープ」という意味。名前の通り赤身魚と、ジャガイモ、クリームを使ったウハーだ。同じ料理が、フィンランドにもある。ロシア北部では、ロヒケイットを「ソロヴェツキーのウハー」とも呼ぶ。
4.カレリアパン

小麦とライ麦を混ぜ、レーズンや果実の砂糖漬け、干しアンズを入れたもの。さらに生地にコリアンダーを加えることで、ボロディンスキーパンに似るがやや甘めの仕上がりとなる。20世紀中盤にはカレリアパンのGOST規格(ソ連、ロシアの標準規格)が定められ、現在でも国内各地の商店で販売されている。
5.スカンツィ

筒状に丸めたブリヌイのようなもの。生地にはケフィアもしくはスメタナを加える。フライパンで焼いて、バターやトヴォログを添えて供する。カリートキのベースにもなる。カレリア料理にも、ポモール料理にも存在するメニューだ。
6.スリチニ

ライ麦を使った牛乳ベースの薄いブリヌイで、米粥、セモリナ粥、キビ粥などを包む。
7.肉の壺煮

壺入りのこの料理は「肉のピョートル風」や「肉のカレリア風」といった別名がある。フィンランド料理では「Karjalanpaisti」と呼ばれ、直訳すると「カレリアの煮込み料理」となる。
一般的にはヘラジカの肉を使うが、現在では牛肉や羊肉を使ったレシピもある。
壺には肉の他にジャガイモ、タマネギ、ニンジン、キノコを入れ、とろ火で2時間ほど蒸し煮にする。
8.カクリスクッカ

蕪の塩漬けが入った伝統的なクローズド型のパイ。その昔、カレリアの住民にとって蕪こそがメインの野菜だった。現代のジャガイモのように、蕪はありとあらゆる料理に応用された。
9.焼きキュウリウオ

カレリア周辺には白海のほか、湖と河川など水域が豊富なため、様々な魚を用いた伝統料理がある。
キュウリウオは伝統的にカレリアで好まれてきた小魚で、衣をつけて焼くのが人気。カレリア地方のレストランの定番メニューだ。
10.キノコスープ

こちらもカレリアの有名なスープ。材料は塩漬けのキノコとクワス。ポルチーニ、キンチャヤマイグチ、アンズタケが使われることが多い。ジャガイモや丸麦も加える。