ロシア語文法における「双数」とは?

ChatGPTによって作成されました
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ロシア語には単数形と複数形のみがあると考えられている。しかしロシア語には他の多くの言語と同様、歴史的には双数形もあった。このカテゴリは失われたが、その痕跡は今でも残っている。

双数とは?

 ラテン語ではnumerus dualis、すなわち「二重の数」。代名詞duo、露語だとドヴァ(2)も、ラテン語由来である。

 双数という文法カテゴリは名詞、形容詞、代名詞、動詞に存在する。物体、性質、動作が対になったものを表す際に用いられる。

研究者は、双数に幾つかの種類を挙げるが、主なものとして、以下の2つがある:

  • 対になっている事象の表現、例えば人体もしくは動物の身体の部位(手足、眼、翼など)
  • 2人組の人間が行う行動の表現、例えば「この二人の兄弟」、「君たち二人で行く」。こうした表現は教会スラブ語や、福音書の露語訳などに多く見られる。

双数はいかにしてロシア語に出現したか

 双数は多くの言語(アラビア語、ヘブライ語、古代ギリシャ語、現代スロベニア語)に存在する。スラブ祖語にもあり、これが古ロシア語などのスラブ諸語に引き継がれた。

 「古ロシア語では、名詞、代名詞、動詞に双数形があった。しかし13世紀頃から失われ始め、15世紀までには僅かな例外を除いて消滅し、複数形に取って代った」

 「例えば、『私達は2人で運んでいる』というフレーズは、古ロシア語ではその2人の性別によって、несева(男性形)とнесевѣ(女性形)と二通りの言い方があった」

 と、GRAMOTA.ruの編集者アンドレイ・ゴルシコフは書いている

現代ロシア語に残されたもの

 双数はかつてと同様、身体の対になっている部位を表すのに用いられている。例えば、ロシア人に眼を意味する“глаз”の複数形をたずねれば、“глаза́”と答えるだろう。まさにこれが、dualisである。本来、複数形の文法に則れば“глазы”になるはずだ。“Рукава”(両袖)、“берега”(両岸)、“рога”(両方の角)、これらの単語はいずれも、歴史的に双数形だった名詞である。

 “два брата”(2人兄弟)のようなフレーズの場合、“брата”(兄弟)は生格だが、歴史的には“брат”という双数形の主格だ。

 興味深いのは、ロシア語において、双数形の残滓は2という数詞だけでなく、3や4にも見られることだ。“два шага”、“три шага、”четыре шага“(それぞれ2歩、3歩、4歩)がそれだが、しかし5移行は、複数形の生格に代わり、”пять шагов“となる。

なぜ双数系は消えたのか?

 双数系という発想は、男神と女神の夫婦ペアを崇拝していた古代民のものだった。アンドレイ・ゴルシコフは、次のように書いている:

 「ロシア語を含む多くの言語で双数形が失われたことは、人間の抽象的概念の発達と関連付けられることがある。」

 「双数は、ごく特定の複数(2つの長靴、両耳など)を表すのに使われていたため、次第にその必要性は薄れていった。結果的に、単数形と複数形という対置のみが残った」。

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