英語からの過度な借用語:ロシアにおける対策は?
ここ数十年、グローバル化とインターネット上の流行にともない、ロシア語は英語由来語の大量流入を経験した。その過程は文字どおり制御不能となり、常識の範囲を超えて、文字通りあらゆるものが言い換えられ始めた。
とりわけこの傾向は、メディア関係者やブロガーたちに強く見られ、したがって公的空間全体にも及んだ。多くの人が「事例」の代わりに「ケース」、「偽物」の代わりに「フェイク」と言うようになった。つまり、ロシア語に十分な言い換えがあるにもかかわらず、外国語の直訳的な借用語を用いるようになったわけだ。店のショーウィンドーにも、「値引き」や「売り尽くし」の代わりに、英語の “sale” がしばしば大きく掲げられていた。
2026年3月1日から、「ロシア連邦の国家語について」の法律改正が施行された。これは外国語からの借用、とりわけ英語由来語の使用を制限するものだ。
2025年には、国家語の規範を定める複数の辞書が承認された。
「この法律は、外国語の使用を市民の権利侵害として解釈している。この場合の権利とは、消費者として商品やサービスについて理解可能な情報を受け取る権利である」。ポータルサイト「グラモタ・ル」の編集者アントン・ソルダトフは、こう書いている。
「多くの新語は辞書に収録されておらず、意味の説明もない。したがって、何か意見の相違や争いが生じた場合、消費者は、頼りにできるものが何もないことになる。…商品またはサービスに関する情報は、辞書も通訳も外国語の知識もなしに、消費者に理解できるものでなければならない。ロシア連邦消費者権利保護・人間福利監督庁は、こういう立場を取っている」
英語由来語は、具体的にどこで制限されるのか?
問題となるのは、まず第一に、誰でもアクセスできる場所に置かれ、人が選択を行ったりサービスを利用したりするのを助けるべき情報である。例えば、次のようなものだ。
- 看板、案内表示、情報板、標識
- 建物や施設の外面にある表示
- 取引やサービス提供に用いられるウェブサイトおよびインターネット上のページ
一般市民(企業ではない)の個人的なブログには、「消費者向け情報」に関するこの法律の要件は直接には及ばない。また、企業間の業務上のやり取りや、社内文書(命令書、従業員向けの指示書など)も、「公的情報」に対する要件に従う義務はない。
しかし、多くの分野において、国家語を優先して用いなければならない。すなわち、広告物、マスメディア、映画(外国映画の翻訳を含む)、文化行事、教育、公的な文書業務、裁判手続および公証、選挙と国民投票である。
看板にロシア語の表記がない場合も、広告で外国語を使用した場合と同様に、罰金が科される。
英語由来語は完全に消えるのか?
もちろん、そうではない。企業にとって、情報を外国語、またはロシア連邦諸民族の言語で併記することが重要な場合には、次の3つの必須条件を守らなければならない。
- ロシア語の文言を必ず最初に置かなければならない。
- ロシア語表記のフォントは、外国語表記より小さくても、目立たなくてもならない。
- 表記は意味において一致していなければならず、互いに正確な翻訳でなければならない。単に外国語をキリル文字で書いて、それを翻訳と見なすことはできない(Beauty Studio を Бьюти Студией とすることはできず、Студия Красоты としなければならない)。
法律によって承認された、使用可能な外国語由来語の一覧も存在する。これらはすでにロシア語に取り入れられた語と見なされている。他方で、たとえば кешбэк(cashback、キャッシュバック)、каршеринг(car sharing、カーシェアリング)、коворкинг(coworking、コワーキング、共同作業空間)、окей(OK) といった語はそこに含まれていない。したがって、ロシア語の対応語を探さなければならない。
もっとも、「ロスパテント」(ロシア特許庁)に登録された商標、たとえば Wildberries、Nike、Ozon などのブランド名については、ロシア語化する義務はない。