どんな状況でも分からなくなったら……“этовать”(etovat')だ!

キラ・リシツカヤ(写真:Pandagolik, Koldunova_Anna, Roman Prysiazhniuk/Getty Images)
キラ・リシツカヤ(写真:Pandagolik, Koldunova_Anna, Roman Prysiazhniuk/Getty Images)
言葉が出てこない? 何かを заэтовали(zaetovali)してしまったのだ。もう必要のない議論を止めたい? まったく、そのへんで этовать(etovat')するのはやめてほしい。感情をうまく言葉で表せない?どうやら разэтовались(razetovalis')しすぎているようだ。

 困ったときに助けてくれる動詞、どんな場面にも使える万能語――“этовать” それ自体には、実のところ固有の意味はない。だが、あらゆる言葉の代わりになれる。ただし必要なのは、文脈に応じて正しい形に変えること、あるいは接頭辞を付けることだ。本来のこうした機能に加えて、この語は卑語や、あまりに露骨すぎる言葉の代用としても使われる。

 研究者たちは、この語は代名詞 “это”(これ)から生まれ、ある行為を指し示す言葉になったと考えている。そして、日常会話で頻繁に使われるようになったのは、情報のやり取りが増えたことと関係している。適切な言葉をいちいち探すよりも、多くの人にとっては、この万能表現を使ったほうが手っ取り早いのだ。

 ちなみに興味深いことに、ロシア語には、代名詞から作られたこうした代用語がほかにもいくつかある。たとえば “то”(あれ)からは “того” が生まれ、“который”(どの、その)からは “которовать”(kotorovat')ができた。どちらも、ある種の行為を指し示す言葉だが、より広く知られた “этовать” ほど一般的ではない。