100年以上の歴史を持つロシアの食品10選

Andrey Rykov / Getty Images
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今でもロシア中で売られている品々である。

1.タンボフ・ハム

Pannet (CC BY-SA 4.0)
Pannet (CC BY-SA 4.0)

 レシピが作られたのは19世紀末。タンボフの商人モクロウソフが考案した。豚の腿肉をまずは塩もみしてニンニクをたっぷり挟み込み、香辛料入りの塩水に漬けて2日ほど重しをする。その後、内部が71℃になるまで、80~85℃で煮込む。そして、ハンノキのチップを使って燻製にする。1884年、復活大祭に合わせて宮廷に80食のタンボフ・ハムが発注されている。ソ連時代にはGOST規格でレシピが規格化された。

2.コストラマ・チーズ

ニコライ・ヒジニャク / Sputnik
ニコライ・ヒジニャク / Sputnik

 19世紀後半に出現したレシピ。1878年に商人のウラジーミル・ブランドフがコストロマ郡のアンドレーエフスコエ村に最初のチーズ製造所を開いた。コストラマ・チーズは低温殺菌牛乳を用い、凝結酵素と乳酸酵母を加える。煮た後にプレスし、塩を添加してから、専用の穴蔵で少なくとも45日間熟成させる。

3.ヴォログダ・バター

Legion Media
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 1870~1871年、ニコライ・ヴェレシチャーギン(戦争画家ワシリー・ヴェレシチャーギンの兄)がレシピを開発した。パリの博覧会でノルマンディーのバターに触発されたニコライは、高温の乳脂を使ったバター製造を提案。最初のバター製造所は1871年、ヴォログダ県のマルフィノ村に開かれた。ナッツの独特の風味が、ヴォログダ・バターの特徴である。

4.ユビレイノエ・ビスケット

アレクセイ・フィリッポフ / TASS
アレクセイ・フィリッポフ / TASS

 「記念の」を意味するユビレイノエ・ビスケットは、1913年に製菓業者「S.スィウ& Co.」(現ボルシェビキ)がロマノフ王朝300年を記念して焼いたのが始まり。1967年には、革命50周年を記念するビスケット菓子としてリニューアルした。小麦粉のブリゼ生地と粉砂糖、バター、牛乳、卵、ハチミツ製の糖蜜を混ぜて作る。出来上がった生地を薄い層に切り分け、四角を基本形に様々な形にカットして220~250℃の高温で焼く。およそ5~7分で黄金色に焼きあがる。

5.ベリョフのパスチラ

アレクサンドル・リュミン / TASS
アレクサンドル・リュミン / TASS

 1888年、実業家のアムヴローシイ・プロホロフは民間のレシピを改良して独自製法のパスチラを開発した。トゥーラ県のベリョフ市で、アントーノフカ種のリンゴを用いて製造された。材料はたった3つの天然素材:アントーノフカ種の焼きリンゴ、砂糖、卵白である。砂糖を省いたレシピも存在する。

6.トゥーラのプリャーニク

ラミル・シトディコフ / Sputnik
ラミル・シトディコフ / Sputnik

 トゥーラのプリャーニクは、文書上の初出が1685年と古い。トゥーラではプリャーニク製造を芸術の域まで高めた。商人のワシリー・グレチーヒンは、特に高名なプリャーニク職人だった。プリャーニクはハチミツ、砂糖、バター、卵、小麦粉、香料(シナモン、ショウガ、チョウジ)をベースに混ぜた湯種で作る。伸ばした生地に中身(ジャム、もしくは練乳)を詰め、プリャーニクの形に成型して卵を塗り、こんがり焼きあげる。

7.キャラメル「ザリガニのしっぽ」

 19世紀末、ロシアの有名な菓子職人アレクセイ・アブリコソフが考案した。横溝の並ぶその形は、茹でたザリガニの尻尾の殻を剥いたものにそっくり。主な材料は砂糖、糖蜜、バニラで、透明感を出すためにジャガイモシロップを加える。こうして出来たカラメルの塊を何重にも折り重ね、ナッツクリームの餡の層を入れ、棒状に成形してキャンディサイズにカットする。革命後、アブリコソフの工場は国営化され、ババーエフスキー工場と改名された。

8.チョコレートのウサギとマロース爺さん

Legion Media
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 こちらも、アブリコソフが考案した品。ロシアでは初の、色鮮やかなアルミホイルに包まれたチョコレート人形で、お正月のプレゼントとして人気を得た。カカオ、砂糖、ココアバターを原料とするチョコレートで作られた。ミルクチョコレートの場合は、粉ミルクが加えられた。革命後、製造者は「ババーエフスキー工場」となった。

9.ココアパウダー「黄金ラベル」

 1908年、モスクワの「エイネム工場」(現「赤い十月」工場)で誕生した製品。当初は、グルメ向けのデザート用高品質チョコレートとして販売された。後に、高品質なカカオ豆にバニラ香料を加えた、天然ココアパウダーとしてリニューアルした。

10.チョコレート「ぶきっちょミーシカ」

 このチョコレート菓子の包み紙で、現存する最も古い物は1913年製。イワン・シーシキン作『松林の朝』がデザインに採用されていることで有名。これもエイネム工場の製品で、アーモンドのプラリネをワッフルの層で挟んでチョコレートコーディングしている。