モスクワ・クレムリンの星は回転している?
モスクワ・クレムリンの星は、ただの飾りではない。実は、重さ1トンを超える巨大な風見鶏なのである。
強風の日になると、モスクワ・クレムリンのルビー色の星は、ゆっくり向きを変えることがある。あれほど巨大な星が回転するのは、少し不思議にも見える。
クレムリンの塔に星が設置されたのは、およそ100年前。それまで飾られていた帝政ロシアの双頭の鷲に代わり、ソビエト時代の象徴となった。最初の星が登場したのは1935年。当時は、鋼鉄と銅で作られ、宝石で装飾されていた。
しかし、風雨による劣化が激しかったため、1937年には現在のルビーガラス製へ交換された。
5つの星は、それぞれ重さ1トン以上。大きさは3〜3.75㍍にも及ぶ。内部には特殊なベアリングが組み込まれており、星は回転できる構造になっている。
なぜ回る必要があったのか。理由は、強風への対策である。高い塔の上では、風の力が想像以上に強くなる。そこでソ連の技術者たちは、星が風見鶏のように自動で向きを変え、最も風の抵抗が少ない角度を取る仕組みを考案した。そのおかげで、巨大な星は、暴風にも耐え続けているのである。