21世紀ロシアの傑作建築10選

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新しく建ったのは高層ビルばかりではない。スタジアムや公園、空港や橋など、新たな名建築は多い。サンクトペテルブルクからカムチャツカまで、代表的なものを見ていこう。

1.ラフタ・センター、サンクトペテルブルク

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 世界最北の高層ビルにして、ヨーロッパでもっとも高い(462m)ビルでもある。市内のほぼあらゆる場所からその姿が見える。設計は、イギリスの建築家トニー・ケトルとロシアの設計事務所ゴルプロエクトの合同による。

 タワーを構成する5つの翼状の構造が約90度で接し、軽くねじりながら頂点に達する。先端は、自動気象観測装置を備えた避雷針である。タワー内部はガスプロム社のオフィスと、公共スペースとなっている。

 ラフタ・センターについて詳しくは、こちらの記事を参照。

2.ザリャジエ公園、モスクワ

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 2017年、クレムリンの真向かいにあったソ連時代からのホテル「ロシア」の跡地に完成した公園。コンセプトの開発にはニューヨークの設計事務所Diller Scofidio + RenfroHargreaves Associates、モスクワのCitymakersの都市設計家が携わった。

 ザリャジエ公園は、ロシア全域の都市と自然を融合させたプロジェクトだ。ここではツンドラやタイガ、ステップや沼地、氷の洞穴といった景色を堪能でき、ロシアをバーチャルに旅できる。また、公園内には抜群の音響を誇るモスクワでもトップクラスのコンサートホールがあり、夏季用のステージや、展示場も備えている。

3.クラスノダール・パーク

ヴィタリー・ティムキフ / Sputnik
ヴィタリー・ティムキフ / Sputnik

 2017年、サッカースタジアの近くに、実業家セルゲイ・ガリツキーの寄付によって建設された公園。地元の市民も、この公園をガリツキー・パークと通称している。プロジェクトを率いたのはドイツGmp Architects社ロシア事務所の建築家イーゴリ・マルコフ。渓谷型の円形劇場、優雅な噴水、美しい庭園と迷路、パブリックアートなどがある。散歩にも写真撮影にも絶好のスポットだ。

4.オリンピック・パーク、ソチ

クリスティーナ・コルミリツィナ / Sputnik
クリスティーナ・コルミリツィナ / Sputnik

 2014年のソチオリンピックが残した遺産が、黒海沿岸のスポーツ地区だ。オリンプストロイ社が開発したコンセプトで、それぞれの建築物は複数の国出身の建築家グループによって設計された。雪山を連想させる半透明の屋根が特徴的なフィシュト・スタジアムは、アメリカのPopulous設計事務所が担当。水滴型のボリショイ・スケートリンクは、ロシアのスポルトプロエクト社。サーキット場は、ドイツのTilke Engineers & Architectsの設計である。オリンピック・パークは今や、ソチのシンボル的存在となっている。

5.カマラ劇場、カザン

マキシム・ボゴヴィド / Sputnik
マキシム・ボゴヴィド / Sputnik

 タタール最古級の劇場は2025年、新たな建物を得た。日本のKengo Kuma & AssociatesとロシアのWowhausの共同プロジェクトである。三角形のアルミガラスのパネルが空と湖を反射し、カバン湖の氷の色彩を思わせるデザイン。内部はタタール様式の内装と、世界レベルの音響を備えた新しいステージがある。

6.パクガウジ文化センター、ニジニ・ノヴゴロド

エカテリーナ・チェスノコワ / Sputnik
エカテリーナ・チェスノコワ / Sputnik

 全ロシア博覧会のために、1882年に作られた鉄の骨組みが残っていた。この骨組みが21世紀になって、新たな命を吹き込まれる。2022年にオカ川とヴォルガ川の合流地点であるストレルカ地区に、鏡面のようなファサードのコンサートホール兼展示場がオープンした。中が透けて見える骨組みはそのままに、近代的な素材とガラスを追加して完成させた。モスクワのスピーチ社によるデザインコンセプトである。

7.ノヴィ・ウレンゴイ空港

マリーナ・リステワ / TASS
マリーナ・リステワ / TASS

 ヤマロ・ネネツ自治区に空港がオープンしたのは2023年。外観は、北方の遊牧民族のチュム(円錐型の住居)を模している。3つのボーディングブリッジ、バス用の暖房トンネル、誘導灯などは、全て厳しい気候条件に合わせた設計がなされている。ターミナルの設計は、ベラルーシ系イギリス人建築家アレックス・ビトゥスである。

8.ルースキー橋、ウラジオストク

ヴィタリー・アンコフ / Sputnik
ヴィタリー・アンコフ / Sputnik

 東ボスポラス海峡にかかるこの斜張橋はウラジオストクとルースキー島を結ぶ。2012年のAPECサミットに合わせて建設された。2本の主塔の間隔は1104mで、世界最長。また、高さも世界トップクラスの324m。ロシアの建築家と技術者たちが「NPO Mostovik」社のもとで設計を行った。ルースキー橋は2000ルーブル紙幣の図柄にもなっている。

9.プラトフ空港、ロストフ・ナ・ドヌ

ヴァレリー・マティツィン / TASS
ヴァレリー・マティツィン / TASS

 2018年のFIFAワールドカップ開催に先立って建設された、ロシア南部の空港。建築コンセプトはイギリスのTwelve Architectsが手掛けた。街と国々をつなぐ「空への橋」として空港を位置付け、異なる高さの放物線上のアーチでこれを表現した。

10.モスクワ・シティ

VladimirSklyarov / Getty Images
VladimirSklyarov / Getty Images

 21世紀のモスクワを象徴するシルエットだろう。首都の新たなビジネス地区のアイディアは、ロシアの建築家ボリス・トホールによるもの。これらのタワー内にはオフィスの他、住居やアミューズメント施設も入っている。一番高いフェデレーション・タワーは374m、セルゲイ・チョバンとピョートル・シュヴェゲルの設計である。