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昼間に出会える、サンクトペテルブルクのフクロウ

北の都と聞くと、石造りのライオン像を思い浮かべる人も多いだろう。だが、市内には少なくとも百羽ほどのフクロウが、建物の外壁や塔に彫刻として配され、街の景観の一部となっている。二十を超える建造物で、その意匠を目にすることができるという。

 古来より「知恵」を象徴するフクロウは、アール・ヌーヴォー建築が花開いた20世紀初頭、サンクトペテルブルクの街に根づいた。家を守り、幸運を招く存在として、住民に親しまれていた。

ロシア、サンクトペテルブルクのザゴロドヌイ大通り45番地、シュタルマン邸のふもとにあるフクロウの彫刻
ニコライ・ブリーキン(CC BY-SA 4.0)

 市内最古の鉄道駅・ヴィテブスキー駅の時計塔には、翼を広げたフクロウが佇んでいる。

 市庁舎のファサードにも、サドヴァヤ通りとヴォズネセンスキー大通りを見下ろすように配置されている。

元ペトロフ商業学校同窓会住宅建設協同組合の建物:ロシア、サンクトペテルブルク、ペトログラード地区、ペトログラード側マールイ大通り32番地
エカテリーナ・ボリソワ(CC BY-SA 4.0)

 ジュコフスキー大通りのアパートは花の装飾が印象的だが、目を凝らすと渦を巻く模様の中に小さな鳥の姿が浮かび上がる。歩きながら建物を見上げると、街は少し違う顔を見せてくれる。

スヴェトラーナ・ヴラジーミロヴナ・シリャエワ (CC BY-SA 3.0)