昼間に出会える、サンクトペテルブルクのフクロウ
北の都と聞くと、石造りのライオン像を思い浮かべる人も多いだろう。だが、市内には少なくとも百羽ほどのフクロウが、建物の外壁や塔に彫刻として配され、街の景観の一部となっている。二十を超える建造物で、その意匠を目にすることができるという。
古来より「知恵」を象徴するフクロウは、アール・ヌーヴォー建築が花開いた20世紀初頭、サンクトペテルブルクの街に根づいた。家を守り、幸運を招く存在として、住民に親しまれていた。
市内最古の鉄道駅・ヴィテブスキー駅の時計塔には、翼を広げたフクロウが佇んでいる。
市庁舎のファサードにも、サドヴァヤ通りとヴォズネセンスキー大通りを見下ろすように配置されている。
ジュコフスキー大通りのアパートは花の装飾が印象的だが、目を凝らすと渦を巻く模様の中に小さな鳥の姿が浮かび上がる。歩きながら建物を見上げると、街は少し違う顔を見せてくれる。